2023 Fiscal Year Annual Research Report
ハムスターを用いたSARS-CoV-2感染肺の2光子生体イメージング解析
Project/Area Number |
21K14984
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
植木 紘史 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 研究所, 国際ウイルス感染症研究センター 上級研究員 (70794907)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | COVID-19 / SARS-CoV-2 / 免疫系 / 生体イメージング / 2光子励起顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症(COVID-19)は致死性の肺障害を引き起こす急性呼吸器感染症である。高齢者や基礎疾患を有する患者において重篤なウイルス性肺炎を引き起こすが、その病態メカニズムについては不明な点が多い。本研究ではCOVID-19肺炎の病態を解明することを目指して、我々が構築した2光子生体肺イメージングシステムを用いてSARS-CoV-2感染モデルマウスにおける病態生理学的変化を解析した。 本研究ではまずC57BL6J系統で効率よく増殖するマウス馴化(MA)SARS-CoV-2を樹立した。続いてMA-SARS-CoV-2に高い感受性と致死性を示す基礎疾患を持つマウスモデルをスクリーニングし、C57BL/6J-obobマウスが重症COVID-19症例に類似した病理組織像を示すことを見出した。MA-SARS-CoV-2に感染したC57BL/6J-obobマウスをSARS-CoV-2重症化モデルマウスとして生体イメージング解析を実施した。 MA-SARS-CoV-2に感染したC57BL/6J-obobマウスの肺を観察すると、肺毛細血管における免疫細胞の血管壁への接着時間の増加と、血小板凝集の亢進が認められた。また、感染マウスの肺では、免疫細胞の血管壁への付着により血小板凝集が誘導され、肺血流の障害が起きることが示された。生体イメージング解析を実施することにより、SARS-CoV-2肺炎に伴う肺血流障害がCOVID-19重症化に関与している可能性が明らかになった。
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