2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a method for prediction of bull semen fertility focusing on the structures of sperm motility subpopulation
Project/Area Number |
21K14987
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
菅野 智裕 北里大学, 獣医学部, 助教 (20834469)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 精子 / 牛 / 人工授精 / 妊孕性 / 運動性サブポピュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は人工授精受胎率が明らかであるホルスタイン種種雄牛由来の凍結精液を用いて、(1)精子運動性サブポピュレーション解析および(2)細胞機能評価を実施した。 (1)精子運動性解析の結果、運動精子は頭部を大きく振動しながら曲線的に運動する精子 、および運動性が著しく乏しい精子に分類されることが明らかとなった。高受胎精液では、低受胎精液と比較して直線的で頭部を細かく頻繁に振動する精子を高率に含んでおり、このような精子は精液融解から時間が経過しても減少しない、寿命が長い精子であることが判明した。一方、低受胎精液には、頭部を大きく振動しながら曲線的に運動する精子の割合が高く、このような精子は融解後時間の経過に伴い減少する、寿命の短い精子であった。 (2)精子細胞機能として、細胞膜正常性、先体正常性、ミトコンドリア活性、活性酸素(ROS)産生量、細胞膜流動性および細胞内カルシウム濃度の各項目の評価を実施した。その結果、細胞膜正常性、先体正常性およびミトコンドリア活性で受胎性による差異が認められた。低受胎精液のみで、融解後 3 時間で融解直後と比較して、高ミトコンドリア活性精子の割合が減少した一方、先体正常性を保ったまま細胞膜異常により死滅する精子が増加した。しかし、いずれも受精能獲得に関連する評価項目である細胞膜流動性、ROS および細胞内カルシウム濃度では、受胎性による差異を認めなかった。 以上の結果から、精液の受胎性に関連する精子運動性サブポピュレーションおよび細胞機能の一部を明らかにした。 2年間にわたる本研究課題の遂行により、人工授精を実施することなく牛精液の受胎性予測を可能とする要因の一部を解明した。また、各種調査、研究を実施する中で、精液および牛の生産に関連する新知見を得て、研究成果に示すような論文発表および学会での報告を行った。
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[Presentation] 持続可能な畜産を目指した循環型畜産システムが日本短角種繁殖雌牛の消化管内細菌叢に与える影響2022
Author(s)
松原里奈, 近藤香央, 小泉和生, 中村円香, 佐々木汐帆, 石戸谷和季, 田村慎之介, 小笠原英毅, 佐藤将伍, 前田洋佑, 菅野智裕, 髙橋史昭
Organizer
第165回日本獣医学会学術集会
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