2021 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of an evaluation method of a chemical-susceptibility for wildlife using counter-QSAR and machine learning
Project/Area Number |
21K14988
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
武田 一貴 北里大学, 獣医学部, 助教 (00896350)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 野生動物 / 環境汚染 / タンパク質立体構造 / 機械学習 / 化学物質感受性 |
Outline of Annual Research Achievements |
環境化学物質は野生動物に対し種々の被害を与え、時に局所的な大量死を生じる事がある。化学物質感受性には大きな動物種差があるが、現在の安全性評価は実験動物でしか行われていないうえ、希少種への致死的な曝露試験は禁忌である。そこで本研究は被毛などから非侵襲的に入手できるDNA情報を利用したシミュレーション手法と機械学習により化学物質感受性の種差を予測する手法の構築を目指し以下の研究を実施した。 初年度である今年度は、抗血液凝固系殺鼠剤として広く散布されているワルファリンをモデル化合物としてワルファリン類の標的タンパク質であるビタミンKエポキシド還元酵素(VKOR)との結合性の分子ドッキングシミュレーションと分子動力学シミュレーション、これを特徴量として用いた機械学習によるワルファリン感受性・抵抗性の2値分類モデルの構築を実施し、結合ポケットの動的な変化の情報を用いる事で比較的良好な分類結果を得る事ができた。一方、ワルファリンとVKORの単純な分子ドッキングスコアを用いると多くが同じスコアを示し、タンパク質を剛体として扱う分子ドッキング法のみでの感受性評価は困難である事が示唆された。また、ワルファリンと同様の作用機序を持つ化学物質であるダイファシノンを実験用ラット、野生クマネズミに単回経口投与しその後の血中動態解析と血液凝固時間測定・血液凝固因子活性測定によるPK/PD解析を実施した。これらの生体内動的パラメータを用いて次年度にシミュレーションの結果がどれだけ生体を反映しているかの検証を実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に準じ、上記のタンパク質立体構造シミュレーションと機械学習による化学物質感受性評価法の基盤的な知見を得る事ができた。本成果は第29回環境化学討論会で報告し、Royal Society of Chemistry Awardを受賞している。また、この培養細胞を用いたwet実験による評価系を構築し、この方法論に関する論文1報が既に受理・早期公開されている。また、これらのシミュレーションが生体を反映しているかの検証材料となるin vivoでの殺鼠剤曝露試験も実施しており、既に投与試験を完了しその後の解析に進んでいる。以上から、概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、VKORに加えて薬物代謝酵素シトクロムP450の立体構造を用いた薬物代謝能の予測を実施する。2021年に公開されたタンパク質立体構造推定アルゴリズムであるAlphafold2を用いP450の立体構造を構築、これらを用い初年度と同様に分子ドッキング・動力学シミュレーションを実施し、代謝能を予測するモデルの構築を目指す。
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Causes of Carryover |
本年度直接経費として計上された1,900,000円のうち、1,849,464円を消耗品費等に使用し49,821円の残額が生じこれを次年度使用額として計上した。次年度使用額が発生した事由として、本年度納品予定だった消耗品の一部がコロナ禍等の影響で年度内の納品が出来なかった事が挙げられる。 当該消耗品を用いた実験は次年度も継続して実施する予定であるため、本繰り越し使用額は予定通り当該消耗品の購入に充て研究を継続する予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Presentation] Anticoagulant rodenticide in Bonin Islands, Japan “Galapagos of the Orient” - investigation of rodenticide-susceptibility of the endemic species by toxicokinetic analysis -2021
Author(s)
Kazuki Takeda, Shouta M.M. Nakayama, Kosuke Manago, Yoshiya Yamamura, Yusuke Kawai, Ayuko Morita, Yoshinori Ikenaka, Noriyuki Komatsu, Chiyo Kitayama, Satomi Kondo, Takuma Hashimoto, Ryuichi Minato, Yusuke Oyamada, Kazuo Horikoshi, and Mayumi Ishizuka
Organizer
The 2021 International Chemical Congress of Pacific Basin Societies (Pacifichem 2021)