2022 Fiscal Year Annual Research Report
上皮細胞傷害性を有する腸内細菌による大腸がん発生機序の解明
Project/Area Number |
21K15008
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
辻 竣也 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (80898370)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 腸内細菌叢 / SARS-CoV-2 / COVID-19 / 細胞老化 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染することにより、肺において細胞老化を起こした細胞が蓄積し、慢性的な炎症反応を引き起こすことを明らかにしてきた。また、これまでに、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者において、腸管でもSARS-CoV-2の増幅が認められることや、腸内細菌叢が乱れることが報告されている。このことからSARS-CoV-2感染により腸内細菌叢が乱れ、大腸癌の発生に関連する可能性があると考え、研究を進めた。我々はマウスに感染するSARS-CoV-2の株であるMA10をc57BL/6jマウスに感染させ、腸管でのウイルスの増幅が見られるのかを検討した。しかし、腸管におけるウイルスの増幅は全く認められなかった。そこで、全身のあらゆる臓器でSARS-CoV-2感染後に増幅が見られるのかを調べた結果、感染門戸である呼吸器以外ではウイルスの増幅は認められなかった。この結果を受け、我々はSARS-CoV-2が呼吸器系において、細胞老化を誘導し、Long COVIDと呼ばれる後遺症に関与している可能性を追求することとした。現在SARS-CoV-2感染により誘導される老化細胞が、SASP因子を分泌することで免疫細胞に働きかけ、持続的な炎症反応を引き起こし、後遺症に関与することを見出している。 研究開始時より、新型コロナウイルスのパンデミックに見舞われ、世界的にCOVID-19研究の需要が高まり、我々も参入するに至ったが、結果として現在も依然として問題視されている後遺症に関連する重要な知見が得られたと考えている。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] SARS-CoV-2 infection triggers paracrine senescence and leads to a sustained senescence-associated inflammatory response2022
Author(s)
Tsuji S, Minami S, Hashimoto R, Konishi Y, Suzuki T, Kondo T, Sasai M, Torii S, Ono C, Shichinohe S, Sato S, Wakita M, Okumura S, Nakano S, Matsudaira T, Matsumoto T, Kawamoto S, Yamamoto M, Watanabe T, Matsuura Y, Takayama K, Kobayashi T, Okamoto T, Hara E
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Journal Title
Nature Aging
Volume: 2
Pages: 115~124
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] SARS-CoV-2 infection triggers paracrine senescence and leads to a sustained senescence- associated inflammatory response2022
Author(s)
Shunya Tsuji, Shohie Minami, Rina Hashimoto, Tatsuya Suzuki, Miwa Sasai, Shiho Torii, Chikako Ono, Shintaro Shichinohe, Shintaro Sato, Masahiro Yamamoto, Tokiko Watanabe, Yoshiharu Matsuura, Kazuo Takayama, Takeshi Kobayashi, Toru Okamoto, Eiji Hara
Organizer
第20回あわじ感染と免疫国際フォーラム
Int'l Joint Research
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