2021 Fiscal Year Research-status Report
ヒト腸内細菌由来の新規なルイス血液型糖鎖抗原利用因子の構造機能解析
Project/Area Number |
21K15025
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山田 千早 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (30747944)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ルイス抗原 / 腸内細菌 / 構造解析 / 糖質加水分解酵素 |
Outline of Annual Research Achievements |
腸内細菌が酢酸や酪酸など短鎖脂肪酸を生成することでヒトの健康に寄与している。乳児の腸内は母乳を飲むことで一時的にビフィズス菌が優勢になるが、離乳とともにビフィズス菌が減少し他の腸内細菌に置き代わることで成人の腸内細菌叢へと変化する。我々は、離乳期の子供の腸内に存在する酪酸生成Roseburia属細菌が母乳中に含まれるヒトミルクオリゴ糖からルイスa/b抗原を菌体外で切り出し取り込むというビフィズス菌とは異なる方法で利用していることと、それに関わる新規な酵素・タンパク質を発見した。本研究では、これらの酵素および取り込みタンパク質の立体構造を明らかにすることで離乳期における腸内細菌叢形成について分子レベルでの機能理解を深めることを目的とした。 初年度は、Roseburia属細菌由来の新規な糖質加水分解酵素の構造解析に特化して取り組んだ。共同研究先のデンマーク工科大学から凍結保存された精製タンパク質を送ってもらっていたため、それらを溶解してリガンドとなるフコースを添加した条件をはじめとして様々な結晶化条件を検討したが、結晶が得られなかった。初年度後半から発現プラスミドを共同研究先から譲渡してもらい自ら精製タンパク質を発現し精製したが、活性が検出されないことがわかり、再度コンストラクトおよび発現条件の検討を行うことになった。また、AlphaFold2 Colabを使ってコンストラクトの検討を行い発現プラスミドの載せ替えなどを行なった。今後、それらの発現検討を試みた後に、結晶化およびクライオ電子顕微鏡による構造解析を行うことを予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
フコースを添加した条件で結晶化するなど様々な結晶化条件を検討したため計画していたことは行うことができた。結果的に結晶が得られなかったため、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度は、共同研究先のデンマーク工科大学から凍結保存された精製タンパク質を溶解して様々な結晶化条件を検討したが、結晶が得られなかった。初年度後半から次年度は自ら精製タンパク質を調整して結晶化まで一連の実験を行っているところである。また、AlphaFold2 Colabを使ってコンストラクトの検討を行い発現プラスミドの載せ替えなどを行なっており、今後、それらの発現検討を試みた後に、結晶化およびクライオ電子顕微鏡による構造解析を行うことを予定している。
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Causes of Carryover |
昨年度2021年度は出産に伴う産前産後休暇および育児休暇を取得していたため予定していた使用額を全て使用することができなかったため次年度使用額が生じた。次年度2022年度は2021年度後半に予定していた研究計画をさらに加速させるために使用予定である。
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