2022 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of genes involved in the lysosomal degradation of aberrant membrane proteins at the endoplasmic reticulum
Project/Area Number |
21K15026
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
林 裕輝 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 特任研究員 (50879971)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 膜タンパク質 / リソソーム / TOLLIP / 小胞体ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の計画では、独自に開発したartificialな不良膜タンパク質モデルを用い、このモデル基質がリソソーム分解される機序を多面的なアプローチで解明することを目的としていた。まず、モデル基質の結合因子を探索した結果、p62、TOLLIP、NEDD4、HSC70などの品質管理因子を見出した。これら結合因子のうち、モデル基質のリソソーム分解に関与するものとしてアダプター分子TOLLIPとE3リガーゼNEDD4を見出した。このうち、モデル基質以外の様々な生理的な不良膜タンパク質のリソソーム分解も担うことが判明したTOLLIPに重点を置いて解析を行った。その結果、TOLLIPがモデル基質のミスフォールディングとユビキチン鎖を分解シグナルとして検出し、PI3Pを豊富に含む輸送小胞を用いて選択的に基質をリソソームへと輸送するという、新たな膜タンパク質品質管理機構を発見した。さらに、TOLLIP欠損細胞ではプロテアソーム阻害などで小胞体に負荷がかかった際の小胞体ストレスが顕著に惹起されやすくなり、従ってTOLLIPは小胞体におけるタンパク質恒常性維持に重要な役割を果たすことも見出した。以上の研究成果を報告する論文は現在投稿中である(Hayashi, et al. under review)。 さらに現在は、当初の計画にはない発展課題として、TOLLIP非依存的に盛んにリソソーム分解されるある膜タンパク質の白内障変異体を新たなモデル基質として用い、その分解機構を探索している。今年度はインタラクトーム解析を実施し、この変異体の認識因子を多数同定した。さらに現在、この変異体の分解制御因子をゲノムワイドCRISPR-Cas9スクリーニングを用いて探索中で、インタラクトーム解析の結果と合わせてTOLLIP非依存的な分解経路のキャラクタライズも今後新たな研究課題として進める予定である。
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