2022 Fiscal Year Annual Research Report
Protain Kinase A regulation in rod photoreceptor cells to be specialized for night vision
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21K15052
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
佐藤 慎哉 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (50814894)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 多光子顕微鏡 / 網膜電図 / 桿体視細胞 / Protein kinase A / ドパミン |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度の研究成果:該当無し。年度開始1ヶ月目で辞職したため。
研究期間全体を通じた研究成果:Protein kinase A (PKA) 活性の蛍光顕微鏡法を使って、桿体視細胞が錐体視細胞より高い基礎PKA活性を持つこと、および、その活性がドパミンやドパミン受容体D4Rの作動薬で抑制されることを明らかにした。さらに、網膜の生体外電位記録法(ex vivo ERG)を用いて、ドパミンによって桿体光感度が抑制されることを示した。桿体は夜間視を司る高感度型の光受容細胞であること、PKAは光感度を上昇させ得ること、ドパミンは昼間に網膜内濃度が上昇することが知られていたため、本研究結果はドパミンが持つ役割として、PKA抑制によって桿体光感度を低下させ、桿体を昼間の明るい光環境に順応させることを示唆する。 ドパミンが桿体にだけ働く仕組みとして、ドパミン受容体D4Rが桿体にだけ発現する、という仮説を立てて免疫染色法で検討した。しかし、桿体と錐体で同等の染色を確認し、仮説を否定する結果となった。現在は、桿体が高い基礎PKA活性を維持することでドパミン感受性を示していると考え、その活性維持の仕組みを明らかにしたいと思っている。 研究期間初年度は、京都大学から国立循環器病研究センター研究所(国循)への異動に伴い、PKA活性の蛍光顕微鏡法を国循で実施できるよう環境整備を行った。具体的には、多光子顕微鏡の無償貸付、搬入、設置、周辺環境整備、故障対応、機能評価などに関する業務を行った。しかし、レーザー初期不良による故障、顕微鏡システムの初期不良、ガス配管整備の遅延や不良など問題が生じたため、環境整備に予想を大きく超える11ヶ月を要した。そして、2年目は上述の通り1ヶ月で辞職したため、計画していた研究はほとんど実施されなかった。なお、上述の成果はほとんどが研究期間以前に得ていた予備データである。
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Research Products
(3 results)