2022 Fiscal Year Research-status Report
アメーバ細胞の中ではたらく直動回転変換ダイナミクス
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21K15055
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
沖村 千夏 山口大学, 大学院創成科学研究科, 学術研究員 (80895392)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アメーバ運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
魚類表皮細胞ケラトサイトは、ラグビーボールの形状をした細胞体の中に、ストレスファイバを、ラグビーボールの縫い目に沿うように複数配列させ、細胞体を車輪のように回転させるというユニークなアメーバ運動を行うことを私達は以前発見した。ストレスファイバはそのアクトミオシンの構造から考えると直線的な収縮運動しかできないはずである。本研究の目的は、ス トレスファイバの直線的な収縮運動が回転運動に変換されるメカニズムを解明することである。様々な人工的な移動体において直動-回転変換機構は重要な役割を担っている。人工機械の構造が硬いのに対して、生物にはやわらかいという特性がある。本研究では、ストレスファイバの収縮によりやわらかい細胞質が変形することで直動-回転変換を行っているという仮説を立て、顕微鏡観察と機械モデル製作という生物学・工学的手法を組合わせて仮説を立証する。 昨年度は、上述の仮説を実証するために、やわらかい弾性材料を用いて細胞体を模した機械モデルを製作した。やわらかい変形可能な円筒状の弾性材料にコイルを埋め込み、コイルに電流を流したところ、コイルが収縮し機械モデルが動くことを確認できた。 今年度は上述の機械モデルの動作解析を詳細に行い、実際の細胞の運動と比較した。機械モデルでは、コイルの収縮に伴いモデルの重心が移動することによって回転しているのではなく、モデルが変形し地面を蹴って回転していることがわかった。このことから実際の細胞が地面を蹴っているかどうかを観察するために、細胞をやわらかい基盤に這わせたところ、基盤の変形から、蹴っていると推察される動きが見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症の流行により、各種研究集会が現地開催されず新しい知見を得ることが難しかったが、徐々に現地開催の学会も増え、他機関との研究打ち合わせもできたことで順調に研究を遂行させることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
弾性材料で製作した機械モデルが基盤を蹴っていることがわかったので、基盤の変異から蹴る力を測定できないかどうかを検証する。また、生細胞が本当に基盤を蹴っているかを検証し、機械モデルと同様に基盤の変異から蹴る力を測定できれば、機械モデルとの比較をする。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の流行の影響で学会年会等、研究集会の現地開催が増えたものの、未だオンラインが多く旅費が必要なかった。また、研究試薬など消耗品が研究室在庫でまかなえ、学生アルバイト等の雇用を行わなかったため、次年度使用額が生じた。次年度には、学生アルバイトなどの研究補助員の雇用、学会の現地参加旅費等を計画的に予定し、研究費を有効に利用する。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] Breaking of actomyosin cables in keratocyte collectives and their role in the coordinated collective migration2022
Author(s)
Iwanaga, M., Okimura, C., Sakurai, T., Ueno, T., Urano, Y., Iwadate Y.
Organizer
第60回生物物理学会年会