2021 Fiscal Year Research-status Report
細胞内共生細菌における突然変異率の進化動態とその駆動要因の解明
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21K15071
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Research Institution | Okinawa Institute of Science and Technology Graduate University |
Principal Investigator |
金城 幸宏 沖縄科学技術大学院大学, 進化ゲノミクスユニット, ポストドクトラルスカラー (40865515)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ゲノム縮小進化 / 突然変異率 / 細胞内共生細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
突然変異率の進化に関する現在の理論では、対象生物における進化的な定常状態を仮定しているため、生態的変化に伴う動的な進化過程にある生物の変異率進化を予測できない。本研究では、既存の理論に基づいた予測とは異なる変異率進化の挙動を示すことが知られている細胞内共生細菌について、突然変異率の進化動態とその進化駆動要因について明らかにすることで、既存の突然変異率進化の理論における定常状態の仮定を緩和し、より一般的な理論へと拡張することを目的としている。 本年度は、国内各地に分布する対象属のアブラムシの採集、およびDNA抽出を行った。DNA抽出については、ロングリード(PacBio)とショートリード(Illumina)の2種類の次世代シーケンスに用いるため、高分子長確保用のDNA抽出Kitをしようすることで断片長の長いDNAを確保することができた。DNA抽出を行った半数以上のサンプルについては、配列解読の予備実験を行い、抽出したDNAに対象の共生細菌2種のDNAが十分量含まれていることを確認した。 また、得られたゲノムデータから突然変異率とゲノム縮小進化との関係性を解析するための解析手法については、別途ゲノム情報が比較的豊富な別の昆虫(ゴキブリ)の細胞内共生細菌のデータを活用することで、当該研究に使用する解析プログラムのプロトタイプを実装した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
21年度は宿主アブラムシの採集から次世代シーケンスライブラリの作製までを予定していたが、沖縄県において新型コロナの感染拡大による緊急事態宣言が長期化した影響により、県外でのサンプリング計画の多くが実施できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
22年度は引き続き国内でアブラムシの採集を実施するとともに、DNA抽出、ライブラリ作製、および次世代シーケンス解析を実施する。得られたゲノムデータに対して今年度に実装した数理モデルを適用することで進化動態の推定および各種進化パラメータ間の統計的因果推論を行う。得られた結果をとりまとめ、国内外の学会で発表するとともに、論文執筆を進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言の延長により一部県外での採集が実施できなかったため。21年度に実施できいなかった採集については、22年度に追加で実施する。
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