2021 Fiscal Year Research-status Report
深層学習による人工エピゲノム操作因子におけるゲノム干渉効果の評価及び予測
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21K15072
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Research Institution | Chiba Cancer Center (Research Institute) |
Principal Investigator |
LIN JASON 千葉県がんセンター(研究所), がん治療開発グループ がん遺伝創薬研究室, 研究員 (80774124)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ゲノム解析 / ケミカルバイオロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、配列特異的にDNA副溝に結合できる化合物であるピロールイミダゾールポリアミド(PIP)の複合体によるしエピゲノムの変動操作を目的とし、深層学習法によるトランスクリプトミクス情報、ヒストン修飾・CpGアイランドなどのエピゲノム情報や結合情報を用いたPIPのオフターゲット効果及び副作用の解明、ゲノム干渉効果の同定や分析手法の構築し、最終的にPIPに特徴的な配列特異性によるピンポイントなエピゲノム干渉効果誘導の最適化を検討する。初年度の2021年度は、PIP-ELI結合領域の推定及び選択性の予測に注目していた。本研究室が2014年に報告したPIP-SAHAの発現プロファイリングデータに基づいて、認識DNA配列とクロマチン情報等の既存情報を加えて、結合モチーフより理論的結合サイトを計算し、初期のPIP-SAHA結合モチーフによる発現量のCNNに基づいた予測モデルを構想し、Apple社のML Computeフレームワーク・Intel社AI部のPlaidMLおよびNVIDIA社のCUDA言語でのプロトタイプアルゴリズムを比較し、現在精度が約78%のモデルを得た。総合的評価により次年度からNVIDIA社のCUDAを用い引き続き研究を行う予定。また、本研究室が持つChem-seqデータを用い、2016年に発表したKR12と呼ばれるPIPの全ての可能な結合モチーフを予想し、DNAリード断片のリード積み重を計算してからそのポリアミドの結合優先傾向分布も試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、実験試薬などの納期が遅延され、年度中にあった数回の緊急事態宣言の要請で出勤頻度も減少したことで進捗がやや遅れているが、初期のモデル作成は予想通り進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年は、Chem-seqデータによるOT効果の判定に注目するが、実験の部分は新規のマイクロアレイ実験より次世代・ロングリードシーケンス手法に変更する予定。相互作用に関わらず上流遺伝子及び標的遺伝子に結合しなければ発現プロファイルは変化しないと想定し、研究提案のようにPIP-ELIにおけるゲノム結合を確認検証し、優先傾向性予測結果を評価する)。発現情報に加え、ヒストン修飾、CpGアイランドやEnhancerAtlas等の既存情報を使用していくことで副作用に及ぼすエピゲノム変動との関係を明らかにする。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、実験試薬などの納期が遅延されため一部の実験は次年度に実施することに計画を変更した。
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Research Products
(2 results)