2022 Fiscal Year Research-status Report
ヒト集団におけるレトロトランスポジションの発生頻度とその発生機序の解明
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21K15073
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
青砥 早希 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, バイオバンク, (非)研究員 (60775972)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | レトロトランスポジション / レトロコピー / エクソームデータ |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請では新規遺伝子の獲得機構の一つと考えられているレトロトランスポジションを、ショートリードシーケンスデータおよび、iPS細胞を用いて今現在起きている現象として効率的に検出する手法の開発を行う。これにより、獲得してから間のないレトロコピーが、どのように集団に定着しているのか、 疾患や集団を規定する要因としてどの程度重要視すべき現象なのかという問いの解明を目指す。初年度は約1000検体のエクソームデータよりレトロコピー配列を検出し多型と頻度の算出方法を確立し、日本人集団に多いレトロコピー配列を特定することができた。前年度はレトロトランスポジションを高頻度で起こしていることがわかっているiPS細胞のエクソームデータ、全ゲノムデータの比較によりレトロトランスポジションによりレトロコピー配列が入ったゲノム領域の検出を行った。その結果、レトロコピー配列のリード断端を調べることにより、全ゲノム配列での解析では偽陽性のレトロコピーを排除できることがわかった。一方でマッピングデータから推定したレトロコピー挿入先ゲノム領域はG-rich配列などが多く見つかった。この特徴がマッピングプログラムによるエラーである可能性も完全に否定できていないので、引き続き詳細に解析を行い、レトロコピーの挿入先ゲノム領域の特徴抽出を進める。その上で挿入部位のエピゲノミックな特徴とともにレトロコピーの発現獲得可能性について推定する手法の開発に進む予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
対象とするiPS細胞の特性上、RNA-seqの実施に十分な細胞を採取できなかった。 また、エピゲノム特性解析に予定していたアカゲザルの血液検体が新型コロナ感染症の影響で入手できず、データ取得ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続きiPS細胞の全ゲノムデータの解析を進め、レトロコピーの挿入先ゲノム領域特定を進める。
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Causes of Carryover |
対象とするiPS細胞の特性上、RNA-seqの実施に十分な細胞を取得できなかった。 また、エピゲノム特性解析に予定していたアカゲザルの血液検体がアカゲザルが新型コロナ等感染症を有する可能性が高いことで輸入が制限されていたことで入手できず、アカゲザル血液を使った実験が実施できなかった。本年度、アカゲザルではなく、ニホンザルに変更し研究実施を進める。
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Research Products
(1 results)