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2022 Fiscal Year Annual Research Report

mTORシグナルによる領域特異的な細胞増殖と中枢神経系のサイズ決定機構の解明

Research Project

Project/Area Number 21K15105
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

角谷 美典  京都大学, iPS細胞研究所, 特定研究員 (80894823)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2023-03-31
Keywords遺伝子発現 / 転写因子 / 初期胚 / 形態形成 / シグナル伝達
Outline of Annual Research Achievements

2021年度においては、神経発生の分子メカニズムは脊椎動物間で概ね保存されているため、鳥類およびマウス胚、マウスES細胞を並行して用いてこのメカニズムを明らかにすることを試みた。ここでは、細胞固有の増殖プログラムの一つとしてSox転写因子の1つであるSox14がニューロンへの分化の促進に不可欠であることを明らかにした。Sox14は神経管の体幹レベルで神経分化が開始される前に、その発現が前駆領域で始まる。神経分化が開始された後、Sox14の発現は徐々に神経管のV2a領域に限定され、そこでChx10が共発現する。 Sox14の過剰発現は、前駆細胞の増殖を抑制することがわかった。
2021年度および2022年度においては、カニクイザルを用いた妊娠初期の子宮内膜およびトロホブラストの遺伝子発現に関し、次世代シーケンスによる網羅的遺伝子解析についてデータを得ている。特に妊娠初期E15程度のステージのカニクイザル子宮内膜上皮細胞は、SOX17やKRT7などの胚に由来するトロホブラスト細胞系譜に発現する遺伝子の一部が発現していることがわかった。このことは胚側(トロホブラスト)と母体側(子宮内膜)で由来が違うにも関わらず一部遺伝子発現を共有するという、非常に興味深いデータである。また、ヒトとカニクイザルのトロホブラストにおけるマーカー遺伝子の違いが示された。
今後、胚側と母体側双方から、着床前後の遺伝子発現やシグナル・分泌因子などのより詳細な相互作用メカニズムに迫れる可能性が示唆される。また霊長類をはじめ脊椎動物における着床から神経管形成における遺伝子発現ネットワークおよびシグナル経路の種差を明らかにできる可能性が示された。

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Published: 2023-12-25  

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