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2022 Fiscal Year Research-status Report

珪藻の被殻形成スイッチをONにして、被殻形成関連タンパク質を探索する

Research Project

Project/Area Number 21K15131
Research InstitutionYamagata University

Principal Investigator

野村 真未  山形大学, 理学部, 助教 (40770342)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywordsバイオミネラリゼーション / 珪藻 / 有孔虫 / 共生
Outline of Annual Research Achievements

珪藻の被殻は細胞内の特殊な小胞(珪酸沈着小胞)に珪酸が沈着することで形成される。細胞骨格が珪酸沈着小胞の形を制御することによって被殻形態が決定される。しかし、実際にどのようなタンパク質が関与しているかは明らかになっていない。本研究では、有孔虫に共生する珪藻という、珪酸質の被殻形成をOFFからONに切り替えることが可能な画期的な系を用い、遺伝子発現の経時変化を単細胞RNA-seqにより解析することを目的とした。昨年度はコロナ禍の影響で採集に行くことが非常に難しく、対象個体を手に入れることに非常に苦労した。本年度は2022年11月と2023年3月に沖縄本島にて珪藻共生性有孔虫の採集を行うことができた。11月の採集では個体が育っておらず、小さかったため、実験に十分量の細胞を確保することができなかった。一方、3月に行った採集では珪藻共生性有孔虫の大きな個体をたくさん採集することができた。一番多く採集できたのはドセイノスナ(Amphistegina lobifera)で、カミソリまたはネジの先端で炭酸カルシウムの殻を破壊すると球状の珪藻もしくは一部が有孔虫細胞質に包まれた状態のまま出てきた。その後、有孔虫から採取した珪藻をタイムラプスビデオ撮影し、珪藻の形態変化を観察した。有孔虫細胞質に包まれていない珪藻細胞は細胞内の液胞が大きく膨らみ、やがて細胞質内の運動が停止し、細胞が死んでしまった。つまり、有孔虫から採取した多くの珪藻細胞は浸透圧ショックにより死滅してしまうことがわかったため、現在、有孔虫を破壊する際の培地条件の検討を行っている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

大きな個体を採取できるのは春先なので、どうしても時期が限られてしまい、実験できるシーズンも偏りが生じてしまうため、昨年度のコロナ禍の影響が響いてしまい、当初の計画よりも全体的にやや遅れている。また、有孔虫から採取した多くの珪藻細胞は浸透圧ショックにより思ったより多くの細胞が死滅してしまうことがわかった。

Strategy for Future Research Activity

浸透圧ショックで共生珪藻に大きなダメージが与えられてしまうことに関しては、有孔虫を破壊する際の培地条件の検討を行うことで解決したい。これにより珪藻細胞が有孔虫細胞外に出てしまっても生存できる確率を上げ、タイムラプスビデオ観察の効率を上げたいと考えている。

Causes of Carryover

本年度はsingle-cell RNAseq解析を行うことができなかったため、委託解析費用として計上していた分の予算を執行できなかった。2023年度は前年度末(2023年3月)に採集した細胞からsingle-cell RNAseq解析を行う予定であり、次年度使用額を執行予定である。

URL: 

Published: 2023-12-25  

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