2021 Fiscal Year Research-status Report
Understanding sleep-wake cycle changes associated with systemic internal state changes.
Project/Area Number |
21K15136
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
史 蕭逸 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 助教 (40803656)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 睡眠 |
Outline of Annual Research Achievements |
睡眠は動物に広く保存された生理現象の一つです。実際、動物によって睡眠時間が異なり、同じ種内の個体は近しい睡眠時間を示すことから、遺伝的な制御が睡眠時間制御の背後に潜んでいると考えられます。一方で、例えば、発熱時には睡眠時間が上昇することや、性周期などの内分泌系の変化による過眠や不眠の誘導といった内外の環境変化による睡眠覚醒サイクルの構造変化に関する説明はまだ不十分です。本研究では外部要因の中でも特に炎症に着目して、睡眠覚醒サイクルに与える影響を明らかにします。 初年度は主に睡眠表現型の定量と、その際に観察される全脳レベルの遺伝子発現変化に着目した。数理生物学的な手法も組み合わせることで、睡眠覚醒、特に炎症誘導性の過眠に伴う全脳レベルの変化を捉えるための準備及び実験条件の検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウスを用いた予備実験が終了したことが本年度の大きな進捗である。マウスへの炎症反応の誘導およびその際の全脳レベルの遺伝子発現変化を捉えるための、実験手法の検討が終わっている。また、睡眠に伴う神経活動の変化に関しても脳波の特徴的なパターンを再現した数理モデルの解析を進めている。その一部に関して、論文で報告していることからも順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
動物実験の条件が定まっているため、今後は実験データの解析に注力する。全脳の細胞解析には、並列処理可能な解析プログラムの開発が必要になり、動物実験によるデータ取得と並行して、データ解析技術の開発にも着手することで、円滑な研究推進を目指す。また、全脳のイメージングデータの解析技術は世界的にも開発が早い分yでアリ、国内外の研究者との積極的な議論を通じて、最新の知見を取り組めるように努力する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響で予定していた海外出張が中止になったことや、予備実験に必要な物品の調達が難航したため、使用額に差が生じた。国内外の新型コロナウイルスに対する制限レベルが引き下げられる中、今年度は海外出張や物品の調達が行えることが期待される。
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