2021 Fiscal Year Research-status Report
Morphological diversification of female internal genitalia mediated by male nuptial gift
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21K15152
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
橋本 晃生 杏林大学, 保健学部, 助教 (50836517)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 性選択 / 交尾器進化 / 配偶行動 / 昆虫 / カミキリモドキ |
Outline of Annual Research Achievements |
カミキリモドキ科(コウチュウ目)における雌雄交尾器の種内・種間変異を調べるために、国内各地の野外調査により得られた6種について外部形態および各種の繁殖形質の測定を行った。雌雄ともに前胸背板の長さと鞘翅の長さを計測し、繁殖形質として交尾器の長さ等の測定を行うとともに内部生殖器の構造を観察した。とくにメスにおいては、産卵管、交尾嚢(オスから受け取った精包を受け取る器官)、貯精嚢(精子を貯蔵する器官)とそれらを結ぶ輸卵管の長さを測定した。交尾嚢内に棘を有する種については、交尾嚢を切開し、棘の本数・長さ・生えている位置等を記録した。メスの交尾嚢内に精包が収められていた場合はそれを摘出し、その大きさを測定した。加えて、精包形態に関するのデータの取得および配偶行動の変異を調べるために配偶実験を行い、交尾時間、交尾後のメス内部生殖器内における精子塊または精包の有無、精包有りの場合はその形態を測定した。以上により、本年度は主に次のことが明らかとなりつつある:得られた6種について、(1)交尾器アロメトリー;(2)種内・種間におけるメス交尾嚢内の棘の形態および分布パターン;(3)これまで精包の形態が未知であった種の精包について、その性状やどのような状態でメス交尾嚢内に形成されているか。なお、次年度以降に予定しているバイオアッセイ実験について、指標生物の飼育と維持管理体制の構築を上記に並行して進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和3年度における所属異動に伴い、研究体制の再構築に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
形態解析について、これまでに収集されたサンプルと合わせると、今後予定している解析に必要な種数はある程度確保されているものの、サンプルサイズが不足している。本年度の研究体制再構築のために予定どおり実施できなかった一部の野外調査を補うため、次年度に実施する野外調査の地点数または回数を増やす等して計画通りの遂行を促す。その他の調査事項については計画通りに遂行する。
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