2021 Fiscal Year Research-status Report
霊長類の色覚型が隠蔽的・顕在的な色彩の脅威の検出に及ぼす影響
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21K15172
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西川 真理 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 客員共同研究員 (50771680)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 色覚多型 / 霊長類 / 三色型色覚 / 二色型色覚 / 隠蔽色 / 顕在色 |
Outline of Annual Research Achievements |
霊長類にみられる同一種内での色覚多型現象の至近要因が解明されつつある一方で、自然環境下での2色型色覚や3色型色覚の適応的意義については結論が出ていない。そこで本研究は、同一種内に色覚多型のある広鼻猿類を対象として、個体の適応度に直接的な影響を及ぼす脅威(ヘビ)を検出する状況に着目する。今年度は、植生のある環境で飼育されているボリビアリスザルを対象として、顕在的な色彩の体色をもつ危険なヘビの検出にかんする予備実験をおこなった。まず、南米に生息する赤色と黒色のバンド模様による警告色をもつヘビを模したヘビ模型を作成し、リスザルに提示する行動実験をおこなった。また、色覚のモデル化をおこなうために、分光光度計を用いてヘビ模型の反射率を測定した。また、ヘビ模型を設置した背景となる環境(樹木の葉、落葉)についても反射率の測定をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は飼育下の広鼻猿類を対象とした行動実験をおこなう必要があるが、飼育施設によるCovid-19の感染防止のための県外からの研究者の受入規制がおこなわれていたため、行動実験を計画通りに進めることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は愛知県にある飼育施設でおこなう計画であったが、Covid-19の流行による研究活動制限を受けにくい別の飼育施設を行動実験サイトとして探す予定である。
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Causes of Carryover |
Covid-19の流行により、計画していた行動実験の回数が大幅に減ったため、物品費や旅費で使用した研究費が予定額より少なかった。2022年度に不足している行動データの収集をおこなう予定である。
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