2022 Fiscal Year Research-status Report
霊長類の色覚型が隠蔽的・顕在的な色彩の脅威の検出に及ぼす影響
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21K15172
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
西川 真理 琉球大学, 国際地域創造学部, ポスドク研究員 (50771680)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 色覚多型 / 霊長類 / 広鼻猿類 / 隠蔽色 / 顕在色 |
Outline of Annual Research Achievements |
霊長類にみられる同一種内での色覚多型現象の至近要因が解明されつつある一方で、自然環境下での2色型色覚や3色型色覚の適応的意義については結論が出ていない。そこで本研究は、同一種内に色覚多型のある広鼻猿類を対象として、個体の適応度に直接的な影響を及ぼす脅威(ヘビ)を検出する状況に着目する。今年度は、行動実験を実施する予定であったがボリビアリスザルの飼育施設Aが新型コロナウィルス感染対策を実施していた。そのため、施設への立ち入り条件が研究代表者の都合と合わず、飼育施設Aでの行動実験を実施することができなかった。このような事情から、今年度は本研究テーマの遂行に必要な行動実験を実施することが可能な別の飼育施設の探索をおこなった。飼育施設Bは、飼育環境に自然植生がないため行動実験には適しておらず候補地から外れた。飼育施設Cは、自然植生があり飼育エリアは十分な広さがあるため行動実験に適した環境であったが、飼育頭数が多いため個体識別が困難であることから本研究の行動実験に適さないことが分かった。飼育施設Dは、飼育頭数が少なく行動実験データの統計的な分析の観点により候補地から外れた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
行動実験をおこなう予定であった霊長類の飼育施設Aにおいて、新型コロナウィルス感染対策のため外部研究者の受け入れに制限がかかっていたため、行動実験を実施することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年5月の新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行にともない、行動実験を予定していた飼育施設Aにおいても外部研究者に対する受け入れ条件が緩和される。次年度は行動実験を実施し、その成果を国内学会で発表する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症対策の影響で予定していた行動実験ができなかったため、直接経費の使用額が当初の予定よりも少なかった。次年度は行動実験を実施できる見込みのため、行動実験を実施する飼育施設までの旅費や物品の購入に使用する予定である。
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