2022 Fiscal Year Annual Research Report
Convergent total synthesis of selective antianaerobic active natural products with polyene structure
Project/Area Number |
21K15232
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
池田 朱里 北里大学, 感染制御科学府, 特任助教 (40825056)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Clostridioides difficile / 抗菌活性 / ポリエン / 全合成 / 収束的 |
Outline of Annual Research Achievements |
偏性嫌気性菌Clostridioides difficileは、重篤度の高い偽膜性大腸炎を誘発するが、未だ有効な治療薬が少なく、新規抗菌薬の開発が求められていた。本研究では、C.difficleに対して選択的かつ強力な抗菌活性を示すポリエン鎖状天然物エフロトマイシンが見出されたことから、エフロトマイシンをリード化合物とした創薬研究を視野に、非天然型を含む多様な誘導体合成を考慮したエフロトマイシンの収束的な全合成経路確立を目指していた。 これまでの研究進捗として、収束的全合成を考慮して4つに分割したフラグメントの合成を進めていた。特に、ポリエン鎖状構造は、4つフラグメントのうち2つに含まれることから非常に重要であり、その効率的な構築法を検討していた。今年度の進捗として、先の幾何選択的なポリエン鎖状部位の構築法を用い、フラグメントの1つであるピリドン環フラグメントの合成を進めた。ポリエン鎖状部位とピリドン環の結合においては合成経路の若干の修正を必要としたが、種々検討の結果、ピリドン環フラグメントの天然型とも言えるジヒドロピランフラグメントの合成を達成した。また、同手法において反応基質を変更し、もう1つのポリエン鎖状部位を含むフラン環フラグメントの合成にも着手した。目的の幾何異性を持つポリエン鎖状部位は効率的に構築でき、そこからの誘導化を進めた。また6員環アセタールフラグメントは、天然物からの知見により安定なフラグメント構造を明らかにしていた。前年度より合成に着手しており、増炭反応による炭素鎖伸長を完了していた。今年度は、続く立体選択的なエポキシ化反応と、分子内環化反応にて6員環フラグメント合成を検討した。種々検討の結果、目的とするフラグメントの合成を達成し、また確立した経路が低収率であったことから、その経路の改善も達成した。
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