2021 Fiscal Year Research-status Report
発光・蛍光マルチモーダルイメージング法による開口分泌のダイナミクス
Project/Area Number |
21K15243
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
横川 慧 愛知学院大学, 薬学部, 助教 (40804406)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 生物発光イメージング / 開口放出 / ガウシアルシフェラーゼ / サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
免疫細胞の一つであるマスト細胞は、生体防御の初期応答において重要な役割を果たしているが、一方でアレルギー性疾患の発症と増悪に深く関与することが知られている。研究代表者は、これまでに「分泌タンパク質の生物発光イメージング法」を用いることで、生細胞の分泌現象についての可視化解析を行い、単一マスト細胞からの神経ペプチドY(NPY)分泌の可視化に成功している。本研究では、アレルギー性疾患の発症に関与するマスト細胞のサイトカイン分泌制御機構を解明するために、新たに「発光蛍光マルチモーダルイメージングシステム」を構築し、以下の研究を実施した。 1)プラスミドの最適化 本研究では、高い比発光活性かつ分子量最小の分泌型発光酵素であるガウシアルシフェラーゼ(Gaussia Luciferase, GLase)をプローブとして、生物発光法によるサイトカイン分泌の可視化を行っている。発光イメージング法では、分泌現象を可視化する可否が細胞のプローブ発現量に依存しているため、サイトカインと融合させるGLase の cDNAについては、ヒトで高頻度に利用されるコドンのみを使用した最適化遺伝子(pGLuc)を用いることで、効率の良い発現が得られた。 2)細胞内分子動態を追跡するための蛍光プローブの選定 発光蛍光マルチモーダルイメージングシステムを用いた細胞内分子動態を観察するため、目的とする用途に合わせた蛍光プローブの選定を行った。また、イメージングシステム本体の最適化も実施し、本研究課題を遂行するための環境整備を終えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マスト細胞の分泌現象を観察するために、標的タンパク質と発光酵素の融合タンパク質の発現量を増加させる必要がある。そのため、発現用プラスミドのコドン最適化処理などを施し、分泌現象の可視化が安定して観察可能な状態になった。また、各種蛍光用プローブの選定、イメージングシステムの撮影条件の検討も完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
発光蛍光マルチモーダルイメージングシステムを用いた分泌現象の開口分泌制御機構について可視化解析を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
2つの要因が考えられる。コロナの影響で国内の学会がオンライン開催になったため、旅費が発生しなかった。蛍光プローブの選定が早期に終了し、消耗品費が抑制された。 使用額の差額は、次年度の試薬の購入費に充てる。
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