2021 Fiscal Year Research-status Report
Anacetrapibを用いた脳虚血再灌流障害に対する脳保護作用の検討
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21K15274
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
水間 敦士 東海大学, 医学部, 講師 (60609311)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 基礎研究 / PCSK9 / CETP阻害 / 脂質異常症 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳梗塞モデルマウス(tMCAOモデル)を作成したうえでCETP阻害薬(anacetrapib)投与群とプラセボ群との行動解析による神経機能評価および脳梗塞巣のサイズの比較を行った。CETP阻害薬を介したPCSK9阻害効果はPCSK9の調節因子であるSREBP2の発現抑制を介した機序で得られることを以前の検討で検証を行っている。 神経機能については投薬群にて有意な改善効果があり、CETP阻害薬を介したPCSK9阻害作用が神経保護に寄与する可能性が示された。一方で脳梗塞巣の評価では両群の差は検証できておらず、サンプル数が少ないことも一因として挙げられ、次年度でさらにサンプル数を増やして検討する予定である。脳梗塞巣の縮小傾向が治療群で確認できることでより明確な神経保護効果について立証することができ、次のステップとして病理学的な観点でミクログリア活性を介した炎症作用についての抑制効果との関連性についても検証を行う予定としている。その他にはCETP阻害薬に加えてPCSK9中和抗体も投与した群を作成して、投与後の血清脂質値の変化についても検討を行った。昨年度では血清脂質値の測定が正確に行えるかどうか、またサンプルの必要最低限量の確認などを行い継続可能と判断している。次年度でさらに検討を重ねる予定である。 最終的にはSREBP2とPCSK9 の急性期脳梗塞への病態の関与を明らかにすることで、PCSK9活性だけでなくSREBP2活性の抑制が新たな治療ターゲットになり、臨床応用が可能となることが期待されるためこレラ検討は重要であると考えている。昨年度はこれらの途中経過報告として日本脳循環代謝学会と日本神経学会にて報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床業務との兼ね合いで凍結脳の切片作成が遅れ、染色含めた解析が十分には行えていなかった。脳梗塞モデルマウスの作成も同様の理由で遅れている。血清脂質の測定に関してはサンプル採取のための手技獲得に時間を要し、測定方法についても簡便さと費用面から方法と使用キットの再検討を行ったため計画に遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
切片作成や免疫染色に関しては技術職員に協力を求めて、円滑に進められるように調整を行う。モデルマウス作成に関しては臨床業務の時間調整を行いつつ進められるように努力する。
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Causes of Carryover |
前述のように研究の進捗状況に遅れが生じ、マウスの作成や染色などが十分に行えず、そのため設備利用や試薬・マウス購入費用が想定していた額よりも少なくなったため。次年度に引き続きマウスの購入、実験に用いる消耗品(染色用試薬、モデルマウス作成用のスレッドなど)、マウス飼育管理費用として用いる予定としている。
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