2022 Fiscal Year Annual Research Report
Search for anti-osteoporosis compounds from natural resources
Project/Area Number |
21K15282
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
Eldesoky Ahmed 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 特別研究員 (10874521)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 骨粗鬆症治療薬 / 天然資源 / 探索 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨粗鬆症は、破骨細胞による骨吸収と骨芽細胞による骨形成のバランスが崩れた結果、骨吸収が亢進し骨量が減少することに起因する。骨吸収を司る破骨細胞は、単球・マクロファージ系細胞が分化して破骨前駆細胞となり、さらに細胞融合して多核化することにより形成される。そこで、本研究では、骨粗鬆症の治療・予防薬のリード化合物を天然資源から探索することを目指した。 令和3年度は、スクリーニングでヒットした真菌Aspergillus taichungensis (IBT 19404) の培養物から16種類の新規ジテルペンtaichuninを単離し、構造活性相関を調べた。最も活性が強かったはtaichunin Gは0.2 microMで多核化および細胞融合を92%阻害した (J. Nat. Prod. 84, 2475-2485, 2021)。また、骨粗鬆症の予防・治療薬の探索は、これまで植物を資源とした研究が多かったが、海洋生物資源からの探索に注目した総説を執筆した (J. Nat. Med. 76, 575-583, 2022)。 令和4年度は、エジプトで採集した植物Artemisia judaicaからパーオキシドの架橋構造を有する新規テルペンarteperoxideを単離した (第9回食品薬学シンポジウムで口頭発表;Phytochemistry 206, 113548, 2023)。合成によりパーオキシド構造であることの証明を試みたが、得られた生成物はエーテル結合を有する化合物であった。しかし、両者のスペクトルを比較することにより、天然物はエーテル化合物ではなくパーオキシド化合物であることが明らかとなった。また、インドネシアで採集したStylotella属の海綿から、塩素とカルバメイトを有する新規セスキテルペンを単離し構造決定した (日本薬学会第143年会で口頭発表;論文執筆中)。
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