2021 Fiscal Year Research-status Report
Screening for crude drug extracts that regulate spike protein cleavage in SARS-CoV-2
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21K15283
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
北村 雅史 城西大学, 薬学部, 准教授 (10825392)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | SARS-CoV-2 / COVID-19 / 生薬エキス / スクリーニング / Furin / スパイクタンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,SARS-CoV-2のスパイクタンパク質(Sタンパク質)のプロセシングを抑制する生薬エキスを探索することを目的としている。Sタンパク質のS1/S2境界部分にはFCS(Furin-cleavage site)が存在し、細胞内Furin/Furin様プロテアーゼによって切断活性化を受け、細胞への侵入が行われる。本研究ではFCSの開裂抑制効果を有する生薬エキスの探索を行った。生薬エキス130種について、FurinのmRNA発現解析及びFurin認識ペプチドを用いたFurin様酵素活性の抑制効果を実施し、開裂抑制効果を示す生薬のスクリーニングを実施した。Caco-2細胞を用いて、FurinのmRNA発現解析を実施したところ、マオウエキス、タイソウエキスに発現抑制効果が認められた。次にCaco-2細胞のライゼートを酵素群としたFurin様酵素活性に対し、ペプチド開裂抑制効果を示す生薬のスクリーニングを実施したところ、ジャショウシエキスやアマチャエキスに活性阻害効果が認められた。さらに、特に強く活性を阻害したジャショウシエキスについて、活性抑制効果を有する成分を単離したところ、Osthole, Imperatorinに活性抑制効果が認められることを明らかにした。また、コウボクの成分であるHonokiolがFurin様酵素活性の抑制効果を示すことを明らかとし、VeroE6細胞における感染抑制効果を示したことを論文として公開した(Tanikawa, T.et al. J Tradit Complement Med., 12(1), 69(2022))。今後、発現解析や酵素活性阻害評価により得られた生薬エキスについて、Sタンパク質に対する開裂抑制効果を評価する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度実施予定の項目はすべて実施がすることができた。また、次年度予定している計画について一部前倒しで、Sタンパク質の精製について条件検討を実施している。
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Strategy for Future Research Activity |
2年度は、発現解析や酵素活性阻害評価により得られた生薬エキスについて、Sタンパク質に対する開裂抑制効果を評価する。 研究計画時、HEK293細胞内で発現させたSタンパク質を精製し、そのタンパク質を基質として開裂抑制効果を評価する予定であった。初年度における事前の条件検討では、上記計画で実施した場合、すでに開裂した状態のSタンパク質が多く精製されることが本研究を遂行する上での課題となっている。その結果を踏まえ、2年目はSタンパク質の配列を有するペプチドやFCSを有するリコンビナントタンパク質を準備し、切断抑制効果を培養細胞条件下で評価する予定である。
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Research Products
(7 results)