2021 Fiscal Year Research-status Report
未知の薬物相互作用の解明を目指したCYP4F2活性への薬物の影響評価
Project/Area Number |
21K15291
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 裕 東北大学, 大学病院, 助教 (60880341)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | CYP4F2 / 薬物相互作用 / 薬物代謝 / 遺伝子多型 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は、CYP4F2活性を評価するためのin vitro評価系の構築を行った。 CYP4F2活性を市販されている昆虫細胞由来のヒトCYP4F2発現ミクロソームを用いて、アラキドン酸から代謝される20-HETEの生成量により評価した。ミクロソーム濃度に依存的な代謝産物の生成、アラキドン酸濃度に依存的な代謝物の生成が確認でき、代表的阻害剤であるHET0016によるCYP4F2活性への影響を評価した結果、HET0016の濃度依存的な阻害が確認された。 また、CYP4F2高活性を有するタンパク質発現法の構築を検討した。293FT細胞にヒトCYP4F2に加え、P450 oxidoreductase、Cytochrome b5を導入し、CYP4F2タンパク質の調製を行った。得られたタンパク質を用いて、アラキドン酸代謝におけるCYP4F2活性を評価した。P450 oxidoreductase、Cytochrome b5の導入により、CYP4F2活性が上昇することが確認された。 以上の結果から、CYP4F2活性の阻害評価系、CYP4F2高活性タンパク質発現法を構築した。 酵素活性は、薬物による相互作用の他に、遺伝子多型や食品・嗜好品との相互作用の影響により変化すること知られている。今後、令和3年度に構築したCYP4F2活性の阻害評価系、タンパク質発現法を用いて、薬物によるCYP4F2活性に対する阻害評価に加え、遺伝子多型による影響についても評価する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3年度は、CYP4F2活性の阻害評価系、CYP4F2高活性タンパク質発現法の構築を行った。評価系構築後、CYP4F2の代表的阻害剤HET0016による濃度依存的なCYP4F2活性阻害を確認することができ、薬物によるCYP4F2活性に対する阻害評価を行う準備ができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は、令和3年度に構築したCYP4F2活性の阻害評価系を用いて、薬物によるCYP4F2酵素活性への影響を網羅的に評価を行う。 まず、薬物によるCYP4F2酵素活性に対する阻害作用について、スクリーニング評価を実施し、阻害作用が確認された薬物に対するIC50値、Ki値を算出し、阻害の程度を評価する。 また、酵素活性は、薬物による相互作用の他に、遺伝子多型の影響により変化すること知られていることから、令和3年度に構築したタンパク質発現法を用いて、薬物によるCYP4F2活性に対する阻害評価に加え、遺伝子多型による影響についても評価する予定である。
|
Research Products
(3 results)