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2021 Fiscal Year Research-status Report

レオロジーと薬物放出制御に基づくう蝕予防デンタルフロスの創製

Research Project

Project/Area Number 21K15299
Research InstitutionUniversity of Shizuoka

Principal Investigator

照喜名 孝之  静岡県立大学, 薬学部, 助教 (30784574)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2023-03-31
Keywordsデンタルフロス / レオロジー / 薬物放出制御
Outline of Annual Research Achievements

歯周病や虫歯をひき起こす歯垢を100%除去することは難しいため、薬物併用による持続的な歯周病・虫歯予防が可能な新たなデンタルフロスの開発が望まれる。2021年度は、「①電界紡糸法を利用した適度な力学的特性を持つナノファイバーデンタルフロスの開発」、「②作製したデンタルフロスへの効果的な微粒子製剤の搭載方法の決定」といった2つの要素技術開発を目的として研究行った。
まず①では、口腔内pHにより表面特性、特に粘弾性が異なると考えられた酢酸フタル酸セルロースを基剤として、生体親和性の高いシルクフィブロインを添加した混合溶液を電界紡糸法によりナノファイバー化した。調製時のパラメーター(印加電圧、流速、溶液濃度、溶液粘度)について検討しながら、引っ張り試験により、市販のデンタルフロスと同等の抗張力、伸張性の指標を得て、製造条件を確立した。その後、得られたナノファイバーシートに水や擬似唾液に浸漬して経過した各時間ごとの粘弾性やテクスチャーを測定した。
次に②では、マクロライド系抗菌薬の一つであるエリスロマイシンをモデル薬物として用いて、薬物徐放性ポリ乳酸・グリコール酸共重合体微粒子を調製後、①で得られたナノファイバーシートへ微粒子を噴霧するコーティングタイプと、ナノファイバー調製時に直接微粒子を分散させたマトリクスタイプの調製を行った。コーティングタイプとマトリクスタイプでは薬物搭載効率では後者が優位性を示したものの、水を溶出液とした場合の薬物放出挙動は異なり、コーティングタイプでは微粒子中の薬物の拡散が、マトリクスタイプではファイバーを含め拡散距離が大きくなったことによる持続放出の傾向が見られた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

2021年度は、2つの課題について検討を行ってきたが、コロナ禍における試薬の物流の滞りの影響により、海外から発注した試薬の到着が遅れ、ポリ乳酸・グリコール酸共重合体以外の微粒子調製のノウハウ等を含めた検討がやや後れていると感じている。

Strategy for Future Research Activity

2021年度の研究成果から得られた知見から、ポリ乳酸・グリコール酸共重合体以外の微粒子の調製を行い、デンタルフロスに成形する前のナノファイバーシートへの搭載方法の検討を研究計画書にしたがって行いながら、疑似唾液に浸漬されたナノファイバーシートの「硬さ」や、「歯ざわり」を表現できるテクスチャーによる評価を行う。これらの得られた知見と溶出挙動の分析から、歯周病環境応答性を有するデンタルフロスの設計に役立つ基盤研究の成果を得ることを目指す。

URL: 

Published: 2022-12-28  

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