2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of a novel anti-malignat mesothelioma agent using intestinal bacteria
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21K15301
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
清水 芳実 帝京平成大学, 薬学部, 助教 (70633931)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ビフィズス菌 / メソテリン / 薬物送達システム / イムノトキシン / 悪性胸膜中皮腫 / 遺伝子治療 / 一本鎖抗体 / 低酸素環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、予後が極めて不良である悪性胸膜中皮腫(MPM)に対する組換えビフィズス菌による抗腫瘍効果を評価することで、MPMに対する新たな治療法を確立することを目指している。 2021年度は、MPMで発現が上昇することが知られているMesothelin(MSLN)に着目し、以下の事を実施した。1)MSLNに結合する一本鎖VHH抗体について、2クローンの精製手法を確立した。2種類のVHH抗体は、ヒトMSLNに特異的に結合することをFACS法とELISAで明らかにした。そのうち、1種類は、マウスMSLNに対しても結合性を有していることが分かった。合わせてSPR解析を実施し結合力を評価した結果、マウスに結合するクローンは抗体の解離定数(KD)がピコモラーオーダーで、非常に強くMSLNと結合することが分かった。このことは、小動物モデルでの組換えビフィズス菌の評価に非常に有用であることを示唆している。2)MSLNは、がん抗原125(CA125)を介して、がんの転移に関与することが報告されている。そこで、精製したVHH抗体がMSLN-CA125の結合を阻止できるか評価したところ、2種類のクローンとも、結合を阻止できることを明らかにした。3)マウスでの抗腫瘍効果評価のため、2種類のMPM由来細胞株とMSLN過剰発現細胞株について、新たにXenograftモデルを確立した。組換えビフィズス菌を用いた抗腫瘍効果の評価に有用な実験系であると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、初年度にMSLNに対する結合プローブの精製系を確立することができた。また、ここまでの研究成果をまとめて、学会発表1件を行うことが出来たため、本研究課題は概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に沿って、樹立した一本鎖抗体に細菌由来の毒素を付加したイムノトキシンを作製し、MPM由来細胞株に対する細胞傷害活性を評価する予定である。合わせて、作製した担がんマウスモデルで、ビフィズス菌の集積性がみられるか検討することを計画している。
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