2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a novel anti-malignat mesothelioma agent using intestinal bacteria
Project/Area Number |
21K15301
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
清水 芳実 帝京平成大学, 薬学部, 講師 (70633931)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ビフィズス菌 / 薬物送達システム / 悪性胸膜中皮腫 / メソテリン / 遺伝子組換え技術 / がん治療 / イムノトキシン / 抗体療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
悪性胸膜中脾腫(以下、MPM)は、難治性のがんであり、有効な治療法が確立されていない。本研究課題では、MPMで過剰発現することが知られているメソテリン(以下、MSLN)に着目をし、MSLNに対する一本鎖抗体に細菌毒素を分泌する組換えビフィズス菌の効果を検証した。 一本鎖抗体については、MSLNに対する性状解析とMPM細胞株に対する結合性評価を実施した。その結果、一本鎖抗体は、MSLNに対してナノモラーオーダーで結合することが分かった。また、MPM細胞株に対しても、結合性を有することを明らかにした。また、遺伝子工学技術を利用して、一本鎖抗体に、ジフテリア毒素あるいは緑膿菌毒素を付加したイムノトキシンを新たに創出した。MSLNの発現量に相関して、両者ともMPM細胞株に対して細胞障害活性があることが分かった。一方、正常の中皮細胞に対しては、毒性を示さなかった。緑膿菌毒素を付加したもののほうが、ジフテリア毒素を付加したものよりも活性が高かった。ビフィズス菌に発現させる分子として、緑膿菌毒素を付加した一本鎖抗体のほうが適していると判断した。 ビフィズス菌に大腸菌・ビフィズス菌シャトルベクターpKKT427を利用して、MSLNに結合性を有する一本鎖抗体-緑膿菌毒素を分泌発現させた。プロモーターについて、複数検討し、最も発現量が高いものをマスターストックとして保存した。組換えビフィズス菌の上清を用いて、MPM細胞株に対する活性を評価したところ、結合活性および細胞障害活性を有することを明らかにした。担がんマウスに対しても、腫瘍特異的に集積することを明らかにした。 以上の結果から、作製した組換えビフィズス菌は、MPMに対して有用な創薬シーズになることが期待される。
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