2023 Fiscal Year Annual Research Report
発生過程におけるSbno1のニューロンのエンドソームでの新規分子機能の解明
Project/Area Number |
21K15331
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
井原 大 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (40884367)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Sbno1 / Yeats4 / ニューロン / 細胞の生存 |
Outline of Annual Research Achievements |
ニューロンのSbno1の機能を解明するために、実施したLC/MS解析の結果からSbno1の相互作用タンパク質の解析を行った。研究計画を行った際にはNsg1およびNsg2によるSbno1タンパク質間相互作用の解析を実施した。しかしながら、Sbno1が細胞の核に局在するのに対してNsg1およびNsg2はエンドソームへの局在を示していた。また強制発現を行った解析からもこれらのタンパク質間相互作用は検出できなかった。そこで我々はSbno1の下流分子の探索を通してSbno1の分子機能解析を行うことにシフトした。マイクロアレイとSbno1のRNA-seqの複合解析結果から、Sbno1の欠損によって発現亢進した遺伝子および発現低下した遺伝子の複合解析を行った。重複した131個の発現変動遺伝子は、Gene Ontologyのbiological processで分類すると、細胞死と関連する遺伝子数が最も多く、我々はその中でYeats4に着目した。Yeats4はこれまでにがんの生存と増殖に機能する事が報告されているが、脳における発現解析ならびに機能解析は十分に行われていなかった。そこで我々はYeats4の脳における発現解析を免疫組織染色によって観察したところ、Sbno1と同様にYeats4も大脳皮質のニューロンに強く発現することがわかった。これらの事実からYeats4をSbno1の下流分子として想定した。Sbno1の欠損で観察される細胞死がYeast4の過剰発現によって回復するか、機能回復実験によって検討した。ニューロンの初代培養を行い、shRNAによってSbno1またはYeast4のノックダウンを行ったところ、ニューロンの細胞死が有意に増加した。一方で、Sbno1のノックダウン条件の下でYeats4の過剰発現を行うことによって細胞死を起こす細胞数がコントロールレベルまでに有意に回復した。
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