2023 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質障害物を利用したCRISPR-Cas3による遺伝子欠損領域の制御
Project/Area Number |
21K15361
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小島 佑介 京都大学, iPS細胞研究所, 特定拠点助教 (90896416)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ゲノム編集 / CRISPR-Cas3 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はタンパク質障害物を利用してCas3の欠損変異長さをどのように制御するかということを主眼に研究を行い、最終年度はCas3が衝突したタンパク質障害物を検出する系の改良と、340キロベースもの長鎖欠損変異を起こすゲノム編集において、Cas3を両側から挟み込むようにし、互いのCas3が障害物となりうるか検証した。これらの結果、Cas3が衝突したタンパク質障害物を検出する解析系については、バックグラウンドシグナルを劇的に低減する方法を見出す事に成功し、Cas3を挟み込む方法に関してはcrRNA結合配列の位置で欠損変異が止まることはなかったものの、数キロベースのランオーバーにて欠損変異が止まっていることが見出され、この知見を含む論文を2023年に発表することができた。 本研究課題全体として、タンパク質障害物を利用してCas3の欠損変異長さを制御する実用的な技術の開発までは至らなかったが、革新的な解析技術の開発やさまざまな有用な知見を得ることができた。Cas3がタンパク質障害物と衝突していることを解析する技術は、当初計画していた方法では網羅性や検出精度に問題があることがわかり、この結果を得たことで解析系の改良へと繋げることができた。当初予定していた欠損変異領域の制御方法に関しては、同様の研究発表が2024年3月に他の研究グループから発表されてしまったが、効率や実用性などの観点からまだ問題点が多くあり、今後更なる改良が必要であると思われる。
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