2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21K15363
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
徳永 雅之 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (10845043)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Arhgap11A / YAP / 硬さ |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞外の力学刺激は細胞の増殖・分化を制御する一方で、細胞は適切な細胞外環境を維持する。YAPはこの恒常性維持機構において中心的役割を担うため、YAPメカノホメオスタシスが提唱されている。しかし、細胞外の力学刺激がどうYAPに伝達されるかその詳細は不明である。研究代表者はこれまでの研究から、ARHGAP11AはYAPに直接転写を制御されている一方で、YAP活性を負に制御することを見出している。すなわち、YAPとARHGAP11Aがネガティブフィードバックを形成していることを明らかにしてきた。しかしながら、ARHGAP11Aの生物学的機能は不明な点が多い。そこで、本研究では、ARHGAP11Aの機能と細胞内局在制御について焦点を当て研究を行った。その結果、細胞内局在が細胞外の硬さにより変化することを見出した。また、ARHGAP11Aは細胞質においてメカノセンサーである、1次繊毛形成に関与することを見出した。さらに、硬さを変化させたゲル上で細胞を培養したところ柔らかいゲル上ではARHGAP11AおよびYAPが細胞質に局在することを見出した。また、ARHGAP11Aのノックダウンすることに、柔らかいゲル上でもYAPが核に局在しうることを見出した。また先行研究において、細胞外環境の硬さによるYAP細胞内局在制御にはRap2aが関与していると報告されている。そこで、Rap2aをノックダウンし、ARHGAP11Aの細胞内局在を蛍光免疫染色で解析した。しかしながら、ARGHAP11Aの細胞内局在に変化は認められなかった。今後は、細胞外環境の硬さとARHGAP11Aの間を繋ぐ分子の同定を進めていきたい。 以上より本研究において、ARHGAP11Aは細胞外の硬さによりその細胞内局在を制御されており、YAPの細胞外環境とYAP活性の制御機構の一端を担う可能性を見出した。
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