2021 Fiscal Year Research-status Report
マルチオミックス解析による大動脈瘤破裂の血管リモデリング機構解明
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21K15366
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
杉山 夏緒里 早稲田大学, 理工学術院, 次席研究員(研究院講師) (20889662)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 大動脈瘤 / ラマン分光法 / 多変量解析 / 細胞外マトリクス / 多変量スペクトル分解 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、大動脈瘤破裂モデルマウスにおいて、大動脈瘤破裂直前のシグナル探索のために、血管の位置ごとや継時変化による血管壁の構造変化を解明する。本年度は、野生型マウスと大動脈瘤破裂モデルマウスの薬剤投与群と非投与群について、組織学的な解析を行なった。組織学的解析から、それぞれの条件のマウスにおける血管壁構造の違いを同定した。ラマン顕微鏡による測定と、空間RNAseqを行う切片位置について、組織学的解析結果から検討を行なった。 また、ラマン顕微鏡と空間RNAeqについてはそれぞれの大動脈組織に対する条件検討を行なった。ラマン顕微鏡における検討事項としては、レーザー強度、露光時間、解像度について行った。ラマンイメージングとスペクトル分解が行えるよなS/Nのよい最適な条件の検討を行なった。血管壁ごとの部位特異性を調べるため、広域条件や測定エリア数の検討を念入りに行なった。ラベルフリーラマンイメージングは、これまでの研究で同定した、弾性線維、膠原線維、アグリカン、ヴァーシカン、核について作製を行なった。空間RNAseqについては、微小組織における1細胞RNAseq解析のため、まずは血管1切片における条件と、レーザーマイクロダイセクションによる微小組織における条件の検討を行なった。レーザーマイクロダイセクションにおいては、どの程度微小なところまで切り出しが可能なのかの検討を行なった。微小組織取得後はRNAseqを行い、遺伝子発現情報が得られるかの検討を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
微小組織における1細胞のRNAseqを行うにあたり、レーザーマイクロダイセクションの条件検討とラマン顕微鏡による条件検討に、想定よりも時間がかかってしまった。 また、課題期間に産休取得を行なったため、当初の計画より遅れてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
大動脈において、どこの位置の解析を行うかを決定したため、その位置においてラマン測定と空間RNAseqを行う。本研究で予定していた微小組織における1細胞RNAseqの条件検討はまだ終わっていないが、時間がさらにかかりそうな場合は1細胞ではなく、1切片のRNAseqの遺伝子発現情報をラマンスペクトルとの関係性を解明する解析に使用する予定である。ラマン測定においては、これまでに得られた弾性線維と膠原線維から大動脈瘤破裂予測シグナルの同定を行い予定である。またその他のタンパク質や脂質成分においても破裂予測シグナルとなりうるスペクトルがあるかどうか、検討を行う。ラマンスペクトルと遺伝子発現情報の関係性探究にあたり、使用予定である次元圧縮法よりも最適な解析があればそちらも随時検討する。
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Causes of Carryover |
参加予定だった学会がオンラインとなったため、渡航費が不要になった。また、産休取得により今年度研究に従事予定であった期間が減少した。 次年度は国際学会等も現地開催予定であるため、それらの渡航費用にあてる予定である。産休期間に行う予定であった研究に必要な物品の購入も行う予定である。
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Research Products
(2 results)