2021 Fiscal Year Research-status Report
血中代謝物に着目したPD-1阻害薬の効果予測バイオマーカー開発基盤構築
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21K15373
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
長谷 拓明 大阪大学, 薬学研究科, 助教 (80779926)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 免疫チェックポイント / メタボローム / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の柱である、PD-L1をはじめとした免疫チェックポイント阻害剤投与の効果を予測する血中バイオマーカー代謝物の探索について、検体の提供を受ける予定であった鹿児島大学大学院医歯学総合研究科呼吸器内科学分野より担当医師が異動されたことで検体の入手が困難となってしまった。これによりバイオマーカー候補代謝物の新規探索や産生経路の解析については検討できていない。 一方で、近年相次いで免疫チェックポイント分子の新たな機能的側面が明らかとなってきた。その例として、がん細胞に発現するPD-L1はPD-1のリガンドとして機能しT細胞の活性抑制に寄与しているのみではなく、がん細胞におけるAktシグナル伝達経路などの活性化を起こすことで抗アポトーシス能の獲得に関わることなどが報告されている。そこで、申請者はマウスがん細胞株におけるPD-L1の強制発現時および発現抑制時におけるメタボローム解析を行い、PD-L1が乳酸産生を正に制御している可能性を見出した。現在、この明確な機序を解明すべく近位依存性ビオチン標識技術を活用したPD-L1相互作用タンパク質の網羅的解析を計画中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
検体提供元の医師の急な異動により予定されていた臨床検体の入手が困難になった。一方で幸い新たな研究パートナーと現在交渉を進めているところであり、肺がん患者の血液検体を用いたメタボローム・リピドーム解析を行う予定である。免疫チェックポイント阻害剤投与の有効性予測バイオマーカーを急ピッチで探索する。
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Strategy for Future Research Activity |
諸々の手続きが完了しだい免疫チェックポイント阻害剤投与を受けた肺がん患者血液検体のメタボローム・リピドーム解析を行う。また、PD-L1の分子病態学的機能を相互作用タンパク質の網羅的探索などから進める。さらに、バイオマーカー候補代謝物がその相互作用に及ぼす影響などを解析する。
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