2021 Fiscal Year Research-status Report
膵神経内分泌腫瘍における細胞接着分子Necl-4の発現と機能の解析
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21K15391
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
川西 彩 東海大学, 医学部, 助教 (40773114)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 膵臓 / 膵神経内分泌腫瘍 / Necl-4 / miRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
応募者はこれまで細胞間接着分子のひとつであるNecl-4の膵管癌での発現について検討を行ってきた。その結果、Necl-4の発現が低下する膵管癌は予後不良で高悪性度であることを明らかにし報告した。本研究ではこれまでの研究を発展させ、膵神経内分泌腫瘍におけるNecl-4の発現を制御するmicro RNA (miRNA)の発現と機能について検討することを計画した。 2021年度では、60例のヒトPanNEN組織標本を用いて、Necl-4 の免疫組織化学を施行し、その臨床病理学的意義の検討を行った。Necl-4は腫瘍細胞の細胞質に染色され、腫瘍細胞の染色強度(0-3)に陽性細胞の分布割合(0-100%)を掛け合わせたH scoreを用いてスコアリングした。スコア120未満を陰性、120以上を陽性として、Necl-4スコアと臨床病理学的因子との関連について解析した。結果は、ヒトPanNEN組織標本における膵神経内分泌腫瘍の 23.3 % (n= 14)が Necl-4 陽性、76.7% (n=46)が Necl-4 陰性であった。Necl-4スコアは、Ki-67指数(<3% /≧3%)3/11:26/20例(p<0.021)、組織学的悪性度(G1:G2/3)1/13:22/24例(p=0.006)で優位に関連を認めた。これらの結果より、Necl-4は悪性度の高い膵神経内分泌腫瘍で高発現となることが予測された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究体制の変更等により研究はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
Necl-4の発現制御に関わるmiRNAをマイクロアレイにより網羅的に探索する。探索したmiRNAのうち、Necl-4を標的とするmiRNAの同定をTargetScan (http://www.targetscan.org/vert_72/)を用いて行う。また、同定したmiRNAを対象としてin situ hybridizationやin vitro実験を行うことにより、膵神経内分泌腫瘍の悪性化や予後に関連するかを検討する。
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Causes of Carryover |
2021年度は免疫染色が中心の実験となったため、次年度使用が生じた。2022年度に計画したin situ hybridizationやin vitro実験の遂行に使用していく予定である。
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