2021 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of ANXA10-related new therapeutic target in Gastric cancer
Project/Area Number |
21K15394
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Research Institution | Department of Clinical Research, National Hospital Organization Kure Medical Center |
Principal Investigator |
石川 洸 独立行政法人国立病院機構(呉医療センター臨床研究部), その他部局等, 医師 (70876143)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 胃癌 / 消化器癌 / 分子病理 / 人体病理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、Annexin A10 (ANXA10)が胃癌においてどのようなメカニズムで癌進展に関わるのかを検討してきた。 胃癌細胞株にCRISPR/Cas9を用いてknockout細胞株を作成し、 pSpCas9(BB)-2A-Puro (PX459)にANXA10特異的配列を組み込んだプラスミドベクター(PX459-ANXA10)を作成し、それをMKN74に導入することでANXA10 knockout(KO)細胞株を作成した。 ANXA10 KO細胞株では、増殖が亢進していることや遊走能が増加しているという結果が得られた。このことからANXA10発現が消失した胃癌では癌細胞の増殖や遊走が亢進することによって転移や浸潤を促進して胃癌進展に寄与している可能性が考えられた。また、ANXA10 KO細胞株の抗癌剤感受性試験では、5-FUなどの抗癌剤感受性が変化している結果が得られた。このことからANXA10発現が消失した胃癌では有効な抗がん剤の種類が変化している可能性が考えられた。そのため、5-FUの術後化学療法を受けた患者の病理組織切片に対してANXA10の免疫組織化学的染色を行い、それらを予後データと比較した。5-FUの術後化学療法を受けた患者では、ANXA10陽性胃癌の方が陰性胃癌よりも予後が良好である結果が得られた。 これらを受け、ANXA10の下流経路を探るため、ANXA10 KO細胞株と従来の細胞株をマイクロアレイ解析することにより、発現している遺伝子プロファイルを比較した。ANXA10の下流では多数の遺伝子発現が増減していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
pSpCas9(BB)-2A-Puro (PX459)にANXA10特異的配列を組み込んだプラスミドベクター(PX459-ANXA10)を作成した。PX459-ANXA10をANXA10高発現として知られるMKN74胃癌細胞株に導入し、ANXA10 knockout(KO)細胞株を作成した。 このANXA10 KO MKN74を用いた増殖能の検討では、ANXA10 KO細胞株では既存の細胞株と比べ、増殖能力が高いことを示す結果を得ることができた。また、抗癌剤耐性に関する検討では、5-FUについてANXA10 KO細胞株では既存の細胞株と比べて感受性が高くなっているという結果や膵癌におけるANXA10発現の知見が得られている。 一方で、ANXA10 KO細胞株と既存細胞株のマイクロアレイ解析では複数のANXA10下流候補遺伝子が抽出された。 以上から研究進捗は概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
マイクロアレイ解析で抽出されたANXA10下流候補遺伝子を同定しており、その中から公共データベース解析やPubMedによる文献検索を行って絞り込みを行う。絞り込んだ候補分子の抗体を購入し、免疫組織化学的にその局在や臨床病理学的意義についても検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
本年度は培養細胞株を用いた小規模な実験と文献検索が主体となったため、次年度使用額が生じている。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] High Annexin A10 expression is correlated with poor prognosis in pancreatic ductal adenocarcinoma2022
Author(s)
Akira Ishikawa, Kazuya Kuraoka, Junichi Zaitsu, Akihisa Saito, Atsushi Yamaguchi, Toshio Kuwai, Takeshi Sudo, Naoto Hadano, Hirotaka Tashiro, Kiyomi Taniyama, Wataru Yasui
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Journal Title
Histology and Histopathology
Volume: 37
Pages: 243-250
DOI
Peer Reviewed / Open Access