2021 Fiscal Year Research-status Report
癌関連静脈血栓症の血栓形成機序と発症予測所見の解明
Project/Area Number |
21K15403
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
魏 峻洸 宮崎大学, 医学部, 助教 (30794656)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 癌関連血栓症 / 静脈血栓塞栓症 / 病理 |
Outline of Annual Research Achievements |
担癌患者は血栓症を合併すること多く (癌関血栓症)、中でも静脈血栓塞栓症(VTE)の頻度が高い。静脈血栓塞栓症は、致死的な呼吸循環障害をきたしうる疾患で、その発症病態の解明は喫緊の課題となっている。一方で、人体病理に基づいた報告は極めて少なく、その機序は未だ不明な点が多い。 本年度は、剖検症例を用いた癌関連VTEについて解析を進めた。癌関連VTEでは、約1/3の症例で血栓中に癌細胞が確認された。また、癌細胞が存在する血栓には、多くの症例で腫瘍壊死を伴っていた。血栓中の癌細胞には、種々の血栓関連因子の発現を認めた。癌細胞が組織因子、ポドプラニンを発現することで、凝固反応・血小板凝集を促進し、癌関連VTEの病態に寄与することが示唆された。 本研究成果は、人体病理に基づいた癌関連VTEの病態を明らかとするものであり、学会シンポジウムで発表を行った(第43回日本血栓止血学会 学術推進委員会 シンポジウム, 2021/5/29)。現在論文投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書に基づき、人体病理による癌関連血栓症の解析を行い、現在論文投稿準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
癌関連血栓症の病理学的解析については、引き続き論文投稿ならびに追加実験を行う。今後は、動物モデルならびに血液チャンバーによる検討を開始する予定である。
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Research Products
(4 results)