2023 Fiscal Year Research-status Report
デジタル病理画像深層学習によるびまん性大細胞型B細胞リンパ腫の予後予測モデル構築
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21K15410
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
津山 直子 公益財団法人がん研究会, がん研究所 病理部, 研究員 (60626133)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | DLBCL / 深層学習 / Digital pathology / リンパ腫 / 人工知能 / explainable AI / XAI |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の予後モデルを構築するために、人工知能(AI)を用いたデジタル病理画像解析および予後解析を実施した。具体的には、患者の予後に関連する画像特徴量を抽出し、それらを解析する手法を開発した。DLBCLなどの血液がんは他のがん腫と比べて病理組織形態が均質であるため、従来の説明手法ではモデルの説明性および解釈性に課題が生じる。AIを医療に応用する観点からも、病理医がモデルの判断結果を理解できることが不可欠である。そこで、本研究では複数の説明手法を併用した。具体的には、1) Grad-CAM(Gradient-weighted Class Activation Mapping):モデルの予測値に最も貢献した画素値を可視化する手法。2) Feature Visualization:モデルが学習した画像特徴量を用いて、ランダム画素値から特徴量を最適化して画像を生成する手法。さらに3)として、古典的な形態計測手法:細胞の形態的特徴を定量化する手法を追加した。3)では、細胞サイズ計測、細胞面積計測、細胞の形状の歪みや対称性を評価する形状因子、セグメンテーション、境界の粗さ、細胞間距離、放射計測を用いた。三番目の手法は細胞形態を数値化することで、人間の目で評価するよりも客観性があり、さらに大量の細胞数を計測することで症例ごとの有意差を検出することが可能である。今後の課題として、これらの画像解析結果に染色体転座解析の結果および臨床情報を統合することで、より精度の高い予後モデルの構築とモデルの信頼度向上を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
データ収集(画像解析による数値、染色体転座解析の結果など)と、解析結果の解釈のため、十分な結果を収集するまでに予想以上の時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
症例数の増加目標、モデルの信頼性を判定するための評価手法の試行数を明確に定める。ネガティブスタディであっても結果を適切にまとめられるように、論文の視点をかえるなど現実的かつ実行可能な計画を再構築する。不足している症例については、外部の公共データを活用する。
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Causes of Carryover |
論文作成に至らなかったことや、オープンソースのプラットフォームを利用したことによって支出が少なかった。
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