2023 Fiscal Year Annual Research Report
新規反応性関節炎モデルマウスの創出と病態メカニズムの解析
Project/Area Number |
21K15411
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
太田 光俊 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (60849149)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 反応性関節炎 / モデル動物 / 慢性炎症 / IL-6 / エクソソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
反応性関節炎(ReA)は消化管感染などの後に発症する無菌性関節炎として知られているが,その病態メカニズムは不明で明確な診断基準はなく,治療についても定まっていない.本研究の目的は,新規ReAモデルマウスを作成し,その病態メカニズムを解明するとともに,診断に有用なバイオマーカーを同定することである. 2023年度の研究実施計画は,サルモネラ経口感染後のF759マウスの血清エクソソームを精査し,ReAの診断に有用なバイオマーカーの同定を目指すことであった. まず,サルモネラ経口感染後F759マウスの血清エクソソームと未感染F759マウスの血清エクソソームの含有物質に対して質量分析を行い,ReA病因物質候補分子Salmo-1を発見した.すでにIL-6アンプが存在することが明らかとなっているBC-1に対して,培養液中にSalmo-1を添加し,qPCR,ELISAでIL-6アンプの活性化を評価したところ,IL-6アンプ活性化が確認された.このことからSalmo-1がReA発症において,臨床的な意義を持つ可能性が示唆された.今後さらなる精査を進めて特異抗体の作成を行い,診断に有用なバイオマーカーとして応用していく予定である. 本研究の具体的な成果は,①慢性炎症モデルマウス(F759マウス)を用い,新規ReAモデルマウスの作成に成功したこと,②サルモネラ経口感染後の血清エクソソームがReAを引き起こすことを示したこと,③そのエクソソームを精査し,ReAの診断に有用なバイオマーカーの同定に迫ったことである.
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