2021 Fiscal Year Annual Research Report
関節リウマチの病態形成における濾胞ヘルパーT細胞に発現するPAD4の役割の解明
Project/Area Number |
21K15412
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
鈴木 一正 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (40835089)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / PAD4 / タンパクシトルリン化 |
Outline of Annual Research Achievements |
シトルリン化酵素peptidyl arginine deiminase type 4(PAD4)をコードするPADI4は関節リウマチ(RA)の疾患感受性遺伝子として広く認識されている。PAD4による蛋白シトルリン化とそれらを抗原とする抗シトルリン化蛋白抗体(ACPA)の産生がRAの病態形成に関与すると考えられているが、ACPA陰性のRAも多く存在することより、PAD4によるRAの病態形成にはACPA産生以外の分子機構の関与が示唆される。 近年、Th1細胞、Th17細胞に加え、濾胞ヘルパーT細胞(Tfh細胞)のRAの病態形成における重要性が示された。本研究者は本申請研究の予備実験において、naive CD4陽性T細胞からTfh細胞に分化する際に、PADI4の発現が亢進することを見出した。PAD4は核移行シグナルを持つ唯一のPADファミリー分子であり、ヒストンのシトルリン化を介して遺伝子の発現を制御することが知られている。そこで本申請研究では、Tfh細胞内でPAD4により発現制御を受ける遺伝子を網羅的に同定し、Tfh細胞特異的候補分子欠損マウスにおけるコラーゲン誘導性関節炎、及びRA患者の滑膜組織の解析により、RAの病態形成におけるPAD4の新規作用機序を解明し、関節リウマチの新規治療戦略基盤を構築することを目的としている これまで、マウス脾臓より naive CD4 陽性 T 細胞を採取し、レトロウイルスにより PADI4 を遺伝子導入した後、Tfh 様細胞分化誘導条件で培養し、Tfh 様細胞分化に対する PADI4 遺伝子導入の影響を評価した。次に、上記条件下で分化した Tfh 様細胞をフローサイトメトリーにより純化し、網羅的トランスクリプトーム解析を行い、PADI4 過剰発現により発現が変動する遺伝子を同定する予定としている。
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