2022 Fiscal Year Research-status Report
自己免疫性心筋炎の免疫応答と炎症後リモデリングにおける自然T細胞の役割の解明
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21K15419
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
吉野 和久 北里大学, 医学部, 助教 (20596530)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 実験的自己免疫性心筋炎 / 自然T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
実験的自己免疫性心筋炎(EAMC)感作抗原である心筋ミオシン重鎖ペプチドMyHC-αR614-629R(以下pMyHC-α)特異的T細胞を解析するために、pMyHC-α/I-Ad tetramer(Tet)の作製をNIH Tetramer Core Facility(NTCF)に依頼した。その際にpMyHC-αのMHCクラスII抗原(I-Ad)への特異的結合試験結果の添付が求められたため、その試験結果を添えて再申請し、pMyHC-α/I-Ad tetramer(Tet)を取得した。 BALB/cに型通りpMyHC-αを皮下注射してEAMCを誘導し、7日目、14日目、21日目における所属リンパ節と心臓を取り出しpMyHC-α特異的(Tet+)T細胞をTetを用いてフローサイトメトリーで評価した。その結果、EAMCの発症率にはまだ問題があるものの、心臓・所属リンパ節ともにFITCラベルTetによって染色されるTet+T細胞を確認できた。また、心臓では21日目が、所属リンパ節では14日目においてTet+T細胞が多い傾向があった。さらにそれら21日目の心臓、14日目の所属リンパ節のT細胞内においてRORγt、Foxp3、T-betの発現をフローサイトメトリーで解析したところ、心臓・所属リンパ節ともにRORγtの発現がTet-T細胞に比してTet+T細胞において発現がみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
臨床業務に追われている
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Strategy for Future Research Activity |
Tetを用いて野生型(WT; BALB/c)あるいはiNKT細胞欠損(TRAJ18 KO)マウスのEAMC重症度(TRAJ18で重症化する)とTet+T細胞の動態の関連をフローサイトメトリーで評価する。導入したBALB/c背景に退交配したMR1 KOおよびBALB/c MR1 KOを用いてEAMCを誘導し、WTでのEAMCとの重症度に差がでるか確認し、MAIT細胞のEAMCにおける役割を明らかにする。さらにこの実験系でもTet+ T細胞の動態や免疫偏倚の解析を行い、病態との関連について明らかにする。自然T細胞(NKT細胞・MAIT細胞)の EAMCにおける総合的な役割とそれぞれのリガンドを用いた病態制御が可能かを明らかにし、論文投稿につなげる。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染症に対する診療、またそれに伴って変化した診療体制に対応するため、実験自体を進めることができない期間があった。
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