2022 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism of peritumor micro-environment for PCNSL using model mice
Project/Area Number |
21K15420
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
中山 駿矢 東海大学, 医学部, 奨励研究員 (70884196)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 中枢神経原発性悪性リンパ腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
中枢神経原発性悪性リンパ腫(PCNSL)は原発性脳腫瘍の3~5%を占め、患者数増加傾向の疾患である。一方で浸潤性が高く摘出術が適用されないため検体の採取が難しく、国内外において研究は滞っている。多くは組織学的にびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)に分類されるが、一般的なR-CHOPなどの化学療法は血液脳関門を通過できないため、標準療法として放射線の全脳照射とメトトレキサート大量療法(HD-MTX)が選択されている。しかしながら、標準療法の予後は芳しくなく、全身性DLBCLと比べても悪い。こうした背景から、PCNSLの早急な新規治療法の確立が求められている。組織学的に近似のDLBCLでは腫瘍周囲の微小環境がその進展に重要な役割を持つことから、同様にPCNSLでも周囲の微小環境が重要であることが考えられる。本研究では多様性に富む腫瘍細胞より正常細胞であるニッチに焦点を当てることで腫瘍―ニッチの相互作用の発見が容易になるのではないか?と考え、研究を実施した。 本年度ではCASTIN解析によりPCNSL腫瘍とその周囲細胞において正常細胞や全身性のDLBCLと比較して発現の異なる36の因子を同定した。この36因子に対してスクリーニング的に検討を行ったところ、遺伝子X-KO HKBMLは体重減少の遅延や行動変化など、腫瘍の定着が遅れる結果を示した。 また脳組織HE染色では腫瘍細胞の集族はHKBML細胞移植部位に限局しており、びまん性の浸潤を認めなかった。この結果から、CASTINによって同定されたいくつかの因子については実際に腫瘍の増殖および播種に関係し、PCNSL腫瘍の治療標的探索の足がかりとなる可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)