2022 Fiscal Year Research-status Report
コリスチン抗菌作用の増強に着目した多剤耐性グラム陰性菌の新規抗菌治療
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21K15440
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
平林 亜希 国立感染症研究所, 薬剤耐性研究センター, 主任研究官 (00801911)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | コリスチン / 細胞外膜タンパク / グラム陰性菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
コリスチンは多剤耐性のグラム陰性菌による感染症治療薬の“最後の切り札”として使用される薬剤であるが、副作用として腎機能障害や神経障害が報告されており、慎重な投与が求められる。近年、伝達性プラスミドを介したコリスチン耐性遺伝子mcrが検出されており、コリスチン耐性菌による感染症の新たな治療法の確立が急務である。申請者は、コリスチン耐性大腸菌に対し低用量コリスチンと併用効果のある薬剤をFDA既承認薬ライブラリーの中からスクリーニングし併用効果をもつ薬剤を同定し、その標的候補としてグラム陰性菌の細胞外膜構成タンパクXを同定している。本研究では細胞外膜タンパクXに着目し、当該薬剤の併用効果について分子メカニズムの解明を行う。また、同機序による他化合物の探索や国内外から収集した多剤耐性菌への併用効果の評価を行い、多剤耐性グラム陰性菌全般に有効な新たな抗菌治療の開発を目指す。 2022年度は、既承認薬Aと細胞外膜タンパクXとのX線結晶構造解析を行い、既承認薬AがタンパクXのβバレル構造の内側に結合することを明らかにした。また既承認薬Aを基に類似体を合成し、既承認薬Aよりもはるかに活性が高い類似体を創製した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的・研究実施計画に従って順調に研究を遂行することができたから。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,研究計画に従って研究を進める。研究計画の変更の必要性や研究遂行上の大きな問題は現在のところ生じていない。
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Causes of Carryover |
2022年度は、新型コロナウイルスの流行の影響で、各種学会への現地参加が困難になったことから旅費分等で次年度使用額が生じることとなった。
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[Journal Article] Emergence of mobile tigecycline resistance gene tet(X4)-harbouring Shewanella xiamenensis in a water environment2022
Author(s)
T. D. Dao, I. Kasuga, A. Hirabayashi, D. T. Nguyen, H. T. Tran, H. Vu, L. T. N. Pham, T. M. H. Vu, F. Hasebe, H. T. Nguyen, T. L. Thi, H. H. Tran, K. Shibayama, T. Takemura, and M. Suzuki
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Journal Title
J Glob Antimicrob Resist
Volume: 28
Pages: 140-142
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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