2021 Fiscal Year Research-status Report
claudin18.2の発現異常および局在変化と消化管悪性腫瘍の関連について
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21K15479
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 悠 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80780543)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 細胞接着因子 / 胃癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
胃癌細胞株による発現解析により、Claudin18の発現の大きい細胞株と発現の低い細胞株の同定を進めており、これらにおける発現差の要因について検討を行っている。 現在までに10例の早期胃癌および周囲の非癌部からの臨床検体からRNAを抽出し、Agilent sureprint G3 Human GE マイクロアレイ ver3. を用いて発現解析を行っている。58201probeのうち、Claudin18と相関の高いprobeは癌部からの検体では86個、非癌部からの検体では460個認め、そのうち癌部・非癌部両方ともで挿管の高かったものは61個認めた。癌部でのみ相関が高くなったprobeの中には予後との関連が報告されている遺伝子も認めておりこれらとの発現制御の関連について検討を行っている。 Claudin18.2を恒常的に発現させるためのウィルスベクターを作成し、細胞株に感染させてその生物学的特性を検証している。 胃癌の発症リスクについて約2万人のコホートを用いて解析を行い、胃癌リスクには年齢、喫煙の他、血清ピロリ菌抗体値と血清ペプシノゲン値の組み合わせによるABC法で2010年代においても胃癌リスクを層別化できること、ピロリ菌除菌の胃癌発症抑制効果はよく知られている一方でも早期には効果を期待できるとは限らないことをGastric Canser誌に報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染症の蔓延による診療業務の増加により当初の予定に研究が進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
胃癌以外の臨床検体を使用した免疫染色による評価については倫理審査委員会を通過しており、これら胃以外の臓器における免疫染色による発現解析を進める。 claudin18の発現制御について細胞株を使用した実験系で検討を進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症に対する診療業務の負担などにより研究が十分に進められなかった。 本年度は実験助手を雇い、遅れている部分を取り戻す予定である。
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