2022 Fiscal Year Research-status Report
claudin18.2の発現異常および局在変化と消化管悪性腫瘍の関連について
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21K15479
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 悠 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80780543)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 細胞接着因子 / 胃癌 / ピロリ菌 / Claudin18 |
Outline of Annual Research Achievements |
胃癌細胞株による発現解析によりClaudin18の発現の大きい細胞株と発現の低い細胞株の同定を行い、これらにおける発現差の要因について解析を行っている。またClaudin18の発現変化を引き起こす詳細な条件検討を行っている。
早期胃癌内視鏡治療前の症例から、癌部および非癌部からRNAを抽出しマイクロアレイ(Agilent sureprint G3 Human GEマイクロアレイ ver.3)を用いて発現解析を行っている。この発現解析からClaudin18の発現と相関の高いprobeを同定しており、これらが実際にどのようにclaudin18と関連するかについて検索を行っている。
胃癌の発症リスクについて約2万人のコホートを用いて解析を行い、胃癌リスクには年齢、喫煙の他、血清ピロリ菌抗体値と血清ペプシノゲン値の組み合わせによるABC法で2010年代においても胃癌リスクを層別化できること、ピロリ菌除菌の胃癌発症抑制効果はよく知られている一方、早期には胃癌抑制効果を期待できることは限らないことを報告した(Gastric Cancer 2022;25(3):481-489) 。バレット食道のリスク因子として食道裂孔ヘルニア、胆汁逆流に加えてピロリ菌除菌後などがあることを報告した(Digestion 2022;103(6):411-420)。ABC法は上記のように胃癌リスク層別化法として有用であるが、5年間隔で2回行うことの意義は高くないことを報告した(Diagnostics 2023;13(7):1284)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナ感染症の蔓延による診療業務の増加などにより当初の予定に研究が進まなかった。 結果に再現性のある条件を詰める作業が想定よりも時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
胃癌細胞株以外の細胞株を用いて、Claudin18の発現条件について解析を進める。
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Causes of Carryover |
想定したよりも条件検討に時間がかかっており、その後に予定している実験に取り掛かれていないため。 詳細な条件に目途がたってきたため、予定されている実験を行う。
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