2021 Fiscal Year Research-status Report
ALK肺がんの髄膜がん腫症におけるALK-TKI耐性克服治療の開発
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21K15483
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
新井 祥子 金沢大学, がん進展制御研究所, 博士研究員 (80824870)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 薬物耐性 / ALK肺がん / 中枢神経系転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
髄膜がん腫症や脳転移などの中枢神経系転移は肺がんの20~30%に発症することが報告されている。肺がんにおける髄膜がん腫症は、分子標的薬により一旦は奏効するが、高頻度で獲得耐性による病勢増悪を起こし患者のQOLを著しく低下させる重篤な病態である。ALK融合遺伝子陽性肺がん(以下、ALK肺がん)における 髄膜がん腫症に対して、第2世代のALKチロシンキナーゼ阻害薬(ALK-TKI)であるアレクチニブや第3世代のALK-TKIであるロルラチニブが高い抗腫瘍効果を示すが、長期の治療により耐性となり再発する症例が徐々に問題になりつつある。ALK肺がんにおけるALK-TKIへの獲得耐性機構として耐性ALK遺伝子変異やMET遺伝子増幅などによる側副シグナルの活性化等が報告されているが、中枢神経系転移におけるロルラチニブ獲得耐性機構はこれまでに明らかにされていないため、中枢神経系病変でのロルラチニブ獲得耐性に対する耐性機構の解明および有効な治療法の確立は急務の課題と考えらえる。本研究では、最も臨床的に治療に難渋するALK肺がんの髄膜がん腫症におけるロルラチニブ耐性に焦点を絞り、耐性機構を解明するすることを目的として研究を進めた。まず、ヒトALK肺がん細胞株をマウスの髄腔に移植したモデルにおいてロルラチニブ耐性を誘導し、得られた耐性株を用いて耐性機構の解明を目指した。耐性がん細胞において第一世代薬クリゾチニブや第二世代薬であるアレクチニブを含む他のALK-TKIに対しても交叉耐性を示すことをin vitroにおいて確認している。現在、耐性原因因子を同定するために、阻害薬ライブラリーを用いた実験を進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒトALK肺がん細胞株のマウス髄腔内移植モデルにおいてロルラチニブ耐性を誘導し、髄液からロルラチニブ耐性がん細胞を樹立している。さらに、耐性がん細胞において第一世代薬クリゾチニブや第二世代薬であるアレクチニブを含む他のALK阻害薬に対しても交叉耐性を示すことをin vitroにおいて確認している。また、阻害薬ライブラリーを用いるための実験系を確立している。
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Strategy for Future Research Activity |
阻害薬ライブラリーを用いて耐性克服薬のスクリーニングをし、耐性候補因子の抽出および耐性因子の同定を行なう。 さらに、髄膜がん腫症マウスモデルにおいて耐性を克服できるかを検討する。
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Causes of Carryover |
次年度に動物実験用のマウスや薬剤の購入等など、比較的大きい出費が見込まれたため、Web開催により不要になった旅費をそちらに充てることとした。
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