2022 Fiscal Year Research-status Report
線維化を介した局所免疫抑制機構の解明と線維化をターゲットとした免疫賦活化の可能性
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21K15514
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
渋谷 雅常 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 講師 (30712244)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 大腸癌 / 線維化 / 癌局所免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウスに大腸癌オルガノイドを移植し、3週間後の腫瘍の発育状況ならびに摘出した検体の免疫染色を行った。コントロール群と比較して有意差はなかったもののFGF(fibroblast growth factor)添加群で腫瘍径が大きくなることが確認された。また、腫瘍浸潤リンパ球に関して免疫組織学的染色を行いhot spotでカウントしたところ単位面積あたりの腫瘍浸潤リンパ球数はFGF添加群で有意に低下していた。 この結果から、線維化を促進することにより癌局所における免疫担当細胞の浸潤が抑制されることが明らかとなった。 この結果は本年6月に開催される「癌免疫外科研究会」にて発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍などで研究室への出入りが制限されたことなどにより実験の開始が遅れてしまったが、ようやく少しずつ仮説に合致する研究結果が得られるようになってきた。
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Strategy for Future Research Activity |
線維化を促進することにより癌局所免疫が抑制されることが明らかとなったため、今後は線維化を抑制する薬剤であるコラゲナーゼを全身および局所に投与し、免疫担当細胞の浸潤が促進されるかどうかを検証する予定である。
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Causes of Carryover |
これまではコロナ禍の影響で実際の動物実験がゆっくりとしか進まなかったため予定していた予算を使用することができなかった。しかし、本年はその制限も解除され、また教室で新たに研究助手的役割を担う人材が増えたことにより予定通り、もしくは予定を上回るスピードでの実験が可能になると考えている。
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