2022 Fiscal Year Annual Research Report
Achievement of Total Cell Kill on leukemia
Project/Area Number |
21K15516
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
岡本 秀一郎 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (10529035)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 白血病 / 骨髄微小環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
急性骨髄性白血病治療において問題となっている再発に取り組んでいる。再発は、治療後に残存する白血病細胞が原因であり、この問題を克服するためには全ての白血病細胞を死滅させる必要がある。この考えが、Total Cell Killであり古くから白血病治療のゴールとされてきた。しかし、全ての白血病細胞を死滅させるために抗癌剤投与量を増加させることは、正常細胞に与えるダメージも多くなるため困難である。そこで、抗癌剤に対する抵抗性を減弱させることで、Total Cell Killが達成できると考え研究を開始した。 抗癌剤抵抗性は、骨髄内の環境により誘導されていると報告があるが、どのような因子が関与しているかは十分解明されていない。そこで骨髄内の環境を再現した培養環境を構築し、耐性化に関わる因子の同定を目指して研究を行った。確立した培養環境では、耐性化を誘導する因子が培養液中に分泌される因子であることが判明しており、培養液中から耐性化誘導因子の分離精製を進めた。 耐性化誘導因子の候補としてタンパク質や脂質メディエーター、miRNAなどを想定して絞り込みを行い、透析膜やBligh-Dyer法、オートクレーブでの安定性などを評価して耐性化誘導因子の分離を行った。それらの結果から、目的の因子は脂質成分であることを突き止めた。その成分の同定に向けて、薄層クロマトグラフィーやカラムクロマトグラフィーを行い、脂質の組成ごとに分離を進めており、最終的には、質量分析による同定を行う。 耐性化誘導因子の同定が出来れば、耐性化のメカニズム解明が可能になり新たな治療法の開発が可能となる。
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