2021 Fiscal Year Research-status Report
Hematopoietic Stem Cell Diversity in the Development of Chronic Myelogenous Leukemia (CML)
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21K15528
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
玉井 望雅 山梨大学, 大学院総合研究部, 医学研究員 (90747453)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | BCR-ABL1 / 慢性骨髄性白血病 / ゲノム編集 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究申請ではCRISPR/Cas9を用いて融合遺伝子BCR-ABL1を導入することにより、実際の病態を精確に再現する。まず、CRISPR/Cas9により導入されたBCR-ABL1が正しく機能するかどうかを確認した。実際の症例でも観察されるホットスポットであるBCR遺伝子のイントロン13およびABL1のイントロン1に対してCRISPR/Cas9を作用させ、誘導されたDNA開裂とそれに続くDNA修復により、p210 BCR-ABL1を導入した。サイトカイン依存性増殖を示す白血病細胞株TF-1に対して、CRISPR/Cas9によりBCR-ABL1を導入すると、サイトカイン非存在下で増殖するクローンが得られた。このサイトカイン非依存性サブクローンにおいて、ゲノムDNAのPCR、FISH法、G-Band法およびSKY法によりBCR-ABL1の存在が確認された。またWestern Blot法によりp210 BCR-ABL1タンパク質の発現も確認された。さらに、BCR-ABL1の活性を抑制するイマチニブを投与すると、サイトカイン非依存性サブクローンの増殖は抑制された。以上の結果から、BCR-ABL1の導入により細胞増殖能が付与されており、CRISPR/Cas9によって導入されたBCR-ABL1は実際と同等の機能を示すことが確認された。今後は臍帯血にCRISPR/Cas9を用いてBCR-ABL1を導入する実験を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CRISPR/Cas9によって導入したBCR-ABL1が正しく機能することが確認された。今後の研究を進めていく上で重要な知見が得られており、本研究はおおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果について論文発表する予定である。今後は臍帯血に対してCRISPR/Cas9によるBCR-ABL1導入を試みる。
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