2022 Fiscal Year Annual Research Report
乳癌肝転移巣の腫瘍免疫微小環境をターゲットとした新規治療戦略の開発
Project/Area Number |
21K15530
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河口 浩介 京都大学, 医学研究科, 助教 (30516927)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 乳がん / 肝転移腫瘍微小環境 / 肝転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
転移乳癌患者において予後に強く関連する肝転移の制御は不可欠であり、乳癌治療において取り組むべき大きな課題である。我々はマウス乳がん肝転移モデルを用いて、乳癌肝転移巣に対しては免疫チェックポイント阻害薬の効果は認められず、CD8陽性細胞の腫瘍浸潤が原発巣に比べて乏しいことを確認した。またマウス4T1担癌マウスにおいて、肝細胞における好中球浸潤が著明に増加する事を免疫染色、フローサイトメトリー並びにトランスクリプトーム解析にて確認した。これらの結果は乳癌と肝臓免疫微小環境の因果関係の解明に貢献し、乳癌肝転移の理解に寄与するところが大きい。 転移を有する乳癌患者の約70%が肝転移を有するといわれており、患者のQOL並びに医療経済双方の観点から、肝転移に対する治療戦略を検討することは、早急に取り組むべき大きな課題である。本研究成果において、肝臓に転移浸潤した腫瘍細胞のみならず、担癌状態であることが既に肝臓における腫瘍免疫微小環境の形成に関わっている事が明らかになった。全身性の宿主免疫応答が各臓器別に生じていることは、今後の乳癌肝転移制御という観点から、非常に重要な知見であると考える。
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Research Products
(1 results)