2021 Fiscal Year Research-status Report
悪性髄膜腫におけるエピジェネティック異常をターゲットとする新規治療法の確立
Project/Area Number |
21K15537
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
佐々木 貴浩 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (90644097)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 悪性髄膜腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
原発性脳腫瘍の中で最も頻度の高い髄膜腫は、多くは良性で手術による根治が可能だが、一部の悪性度の高い腫瘍は再発を繰り返し、予後不良な経過を辿る。放射線治療で制御可能な症例もあるが、制御不可能になった場合、現在有効な化学療法は確立されていないため、新しい治療方法を模索する必要がある。エピジェネティックスとはDNA 配列の改変を伴うことなく、後天的にクロマチンやDNAを修飾することで、遺伝子発現を制御する仕組みの総称であり、細胞分化や遺伝子の発現量の調整などにおいて重要な役割を果たしている。近年、髄膜腫の分子生物学的解析は大きく進歩し、エピジェネティック制御異常が髄膜腫において腫瘍発生に関与していることが報告された。申請者らの先行研究では、小児悪性神経膠腫において、エピジェネティック制御異常をターゲットとする治療の橋渡し研究を行い、有効性を示すことができた。それらを発展させ、本研究では悪性髄膜腫の患者由来細胞株、患者由来細胞異種移植モデルマウスを用いて、エピジェネティック制御異常をターゲットとする治療の有効性を検討する。現在、エピジェネティック制御に関与する薬剤の細胞増殖抑制効果を、MTS アッセイ、コロニー形成アッセイの検討実験をするため施設整備等を行っている。また、薬剤によるヒストン修飾、タンパク発現の変化の検討実験をするため施設整備等を行っている。また、悪性髄膜腫の異種移植動物モデルを構築すべく、施設整備を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染症蔓延に伴う、研究使用物品の入荷遅れがあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究使用物品の入荷が得られ次第、細胞株を用いた実験から開始する。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症蔓延に伴う、研究使用物品搬入遅延が生じた。 物品納入が得られ次第、実験を開始する。
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