2021 Fiscal Year Research-status Report
カルシウムシグナル伝達を介したフェロトーシス抵抗性の分子機序解明と治療への応用
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21K15539
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
白濱 仁深 公益財団法人がん研究会, がん化学療法センター ゲノム研究部, 研究員 (20838552)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | フェロトーシス / カルシウムシグナル / Ca2+シグナル |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞死の一形態であるフェロトーシスには、複数のがん種およびがん種特有な性質が関連していることが知られている。一方で最近、細胞の密度が上がるとフェロトーシスが起こりにくくなる例が複数報告され、注目を浴びている。この現象は、体内で転移するがん細胞が凝集すると細胞死を回避しやすくなることを示している可能性がある。そこで、この細胞死回避を防ぐためにメカニズムの解明が求められている。 申請者の予備的検討では、小胞体におけるカルシウムイオン放出が関与していることが示唆された。そこで本研究では、カルシウムを介したシグナル伝達と密度依存的なフェロトーシスとの関連について検討を行う。 上記の目的に従い、本年度は、まずカルシウムキレート試薬をはじめとする複数のカルシウムシグナル伝達阻害剤とフェロトーシス誘導剤との共処理を行った。細胞には、密度依存的なフェロトーシス誘導を示すメラノーマ細胞株をいくつか用い、それぞれ異なる細胞密度で播種した。その結果、フェロトーシスが誘導されやすい低細胞密度において、細胞死回避を招く阻害剤を見出した。 一方で、当該メラノーマ細胞株の一つに関して、低/高細胞密度におけるトランスクリプトームデータの比較解析を行ったところ、脂質代謝が関わっていることが示唆された。そこで、脂質関連の阻害剤を用いたスクリーニング試験を行ったところ、高細胞密度におけるフェロトーシス耐性を減弱化するものを複数見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.カルシウムシグナル伝達阻害に関するスクリーニング試験を通じて、フェロトーシス抵抗性を招くものを複数見出した。 2.トランスクリプトーム解析を行い、脂質代謝の関連が示唆される結果を得た。それを踏まえて、脂質関連の阻害剤を用いたスクリーニング試験を実施し、フェロトーシス感受性化を招くものを複数見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
トランスクリプトーム解析から見出された、脂質代謝とフェロトーシスの関係について、遺伝学的手法などを用いた検証を行う。そのうえで、脂質とカルシウムの関わりに着目した検討を行う。
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Research Products
(1 results)