2021 Fiscal Year Research-status Report
人工知能技術(AI)を併用した術中免疫組織化学染色への取り組み
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21K15544
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
廣嶋 優子 秋田大学, 医学系研究科, 助教 (30770044)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 迅速免疫組織化学染色 / 脳腫瘍 / AI病理診断 / 分子病理診断 / R-IHC / 術中迅速診断 / 迅速自動染色装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、脳腫瘍の術中迅速診断の際に、HE染色に加えてKi-67, CD20, Olig2, p53, ATRX, H3K27M, IDH1(R132H)等の各抗体を用いた迅速免疫組織化学染色(R-IHC)を施行し、その結果判定およびそれに基づく腫瘍の分子病理学的診断に有用なAIモデルの開発を目的としている。今年度は、膠腫の直近20症例のR-IHCの結果の再判定、および各症例に対応した切除検体(永久標本)の代表的な切片における自動免疫染色装置を用いた通常法の免疫組織化学染色(IHC)との結果の対比を行った。因みに、結果の乖離していた症例に関しては、R-IHCに技術的な問題点がなかったか、適宜検討を加えた。その後、迅速診断のHE染色とR-IHC、永久標本のHE染色とIHCの、各々の静止画像(JPEG)とWhole slide image (WSI)を作製した。技術指導を依頼している小西らとのディスカッションも今年度数回にわたり行い、画像とスコアデータを元にして、畳み込みニューラルネットワーク型のDeep Learningを用いた多クラス分類モデルを構築する予定を立てた。具体的には、現段階では適切な教師画像の作製が最も重要と考えて、その準備の作業に今年度は時間を費やした。本研究の最終的な目標は、R-IHCのWSIを基にした腫瘍診断を、AIを用いて行うことであるが、現状ではR-IHCの染色強度は核内抗原やサイトケラチンを除いてはやや弱いと言わざるを得ず、初回学習の教師画像として相応しくない可能性も考えられ、先立って切除検体で行ったIHCの静止画像ならびにWSIを教師画像として学習させる方針とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度から、当院においてR-IHCの自動染色機が本格的に稼働しており、染色の労力の飛躍的な軽減を認めている。これにより、凍結切片を用いたR-IHCの同一症例での複数回の施行も可能となった。再現性の獲得の点から、これは大きな進歩と考えられ、R-IHCの染色性の更なる向上、安定化につながると考えている。自動染色機も活用し、より精緻な教師データとして充分なWSIを作製し、可及的速やかに診断モデルを作製したいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
想定した抗体購入額に至らなかったことと、多数症例を用いたWSI画像を用いたAIによる腫瘍診断の解析まで至らなかったため。 次年度、加速度的に本研究を進める。
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Causes of Carryover |
引き続き膠腫50症例の染色のWSIデータを作製し、腫瘍部のアノテーションを行い、小西氏とともに診断の解析モデルを開発する予定であり、今年度に続き予算を使用する予定である。
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Research Products
(5 results)